AFCチャンピオンズリーグの決勝方式ならびに今後

     
   
     

なんとも、まあ、おかしな決定になっている。決勝が一発勝負で良いのは構わない。ただ、AFCとしては、決勝が閑古鳥になるのを避けたいだけだ。

ACL決勝 決勝は進出チームのホームで
アジアサッカー連盟(AFC)は30日、クアラルンプールで理事会を開き、11、12年のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝を、進出チームのどちらかのホームで開催することを決めた。 準々決勝の対戦カードを決める抽選で決定される予定。ACL決勝は昨年から一発勝負に変更され、東京・国立競技場で行われたが、日本勢が出場できなかったため集客に苦戦した。今年までは国立競技場で開催されることが決まっている。

結局、日本の国立競技場での決勝開催も、日本のクラブが決勝まで来なければ、意味はないし、それでいながら、日本以外に運営金を出せて、そこそこスポンサー、集客を見込める国も無い。さしてAFCに借りでもあるわけではないが、去年、今年と、日本は無駄金投資を行ったに過ぎない。とはいえ、去年は川崎のボタンの掛け違いゆえの自滅ゆえ、文句も言えない。今回の決定方針は、あきらかに、集客を優先させた方式で、運営面では悪くないが、勝負の本質としては、公平とは取れない。

例えば、もし、浦和と中東勢のクラブの決勝となって、決勝会場が埼玉スタジアムだったら、水曜の夜キックオフでも、おそらく、6万近い満員になるであろう。身内としては、燃えないわけが無い。それなりの決勝の熱い雰囲気も醸し出せ、大成功といえるが、相手の中東勢からすれば、決勝がアウェイの、しかも赤い埼玉スタジアムだったら、これほど割に合わないことは無い。もちろん、浦和の例は、かなり極端だが、韓国や中東勢のホーム開催でも、招待券ばら撒いた上で、3万人も来るかこないかであろう。逆に、対極として、万博や等々力では、スペックが小さすぎるかもしれない。

要するに、大会の構造をもっと公平にシビアに整備しないことには、クオリティもついてはこないだろう。もちろん、これまで、枠の改善などなされてきたが、まだまだ十分ではない。たとえば、決勝トーナメントの試合を無理に6試合に収めようとして、ROUND16で一発勝負で1試合のみの実施したり、初期における同国クラブでの激突を避けないなど、おかしな点が目に付く。また、相手国などの情報面(ディスクロージャ)、枠の調整、日程面、外国人枠も、もっと明確にした方がいい。特に、決勝の水曜開催は問題だ。UEFAですら、決勝は今年から土曜日に持ってきている。

もちろん、なにもかもUEFAの真似をする必要は無い。アジアの気候、地理に見合ったやり方もあるであろう。たとえば、東アジア(東南アジア・オセアニア含む)と中東の2つのディビジョンに分けて、双方で東と西のカンファレンス・チャンピオンを決め、決勝だけ、○○杯とかスポンサーを絡ませて、中立地で一発勝負でやるアメリカ方式もある。

とにかく、今は、試行錯誤で進めるしかないが、なんであれ、本当にクオリティがついてくるなら、決勝は、シンガポール、香港など、大会の参加クラブに関与しにくく、かつ、インフラの整った国のスタジアムに固定して一発勝負をかければよいのではないか。とりあえず、国の代表以上に、AFCチャンピオンズリーグ=アジアのレベルでもあるわけで、何年かかけて、「ACLチャンピオンといえば、あそこ」というような金看板のようなクラブがいくつか生まれるかも鍵であろう。


(了)

*過去に書いてる記事を読んだものとして、箸折ってる部分がございます。