たとえ、W杯に出たい、W杯に出場したいを乗り越えても…<今のサッカー日本代表>

    
   
     

「人生で一度、W杯に出場してみたい」ツアーだったのが、前回ドイツ大会である。中田英寿以外は、ほとんど、W杯に出場するのが目的になっていた。今回もそういう選手は散見される。前回、落選している大○保、松○などはその最たるところであろう。

W杯に出たい、W杯に出場したいという選手が、本番で何かを成す事など、ほとんどありえないが、では、W杯に出たい、W杯に出場したいという選手でなければOKかというと、これまた、そうでもない。もちろん、W杯に出たい、W杯に出場したいを乗り越えて、W杯でプレーする、勝ちたい、戦うという気持ちは、持っているに越したことはない。岡崎、玉田、中村俊輔など、一度、出場目的で(W杯、五輪に)参加して失敗している選手は、W杯に出たい、W杯に出場したいを乗り越えている。だが、それでも、まだまだ足りないだろう。

W杯でプレーする、勝ちたい、戦うという気持ちから、さらに一歩突き進んで、「俺が決めてやる」という主体を持つ選手がどれだけ居るだろうか。そういう選手は、独特のオーラを持つ。これまた、前回ドイツ大会まで遡っても、中田英寿以外は、見当たらない。しいて、本田圭祐くらいか。ひょっとすると、ここが中田英寿と彼の共通点かもしれない。タイプもプレーも持ち味も違う二人だが、特に和に迎合したりはしない。勝つ目的のためなら、手段を選ばず、むしろ、和を乱してでも、突き進む主体がある。

組織は、はじめから、何事もなく強調しても、それは調整か馴れ合いでしかない。衝突後の強調でなければ、本当の強調にはならない。そういう意味で、今のサッカー日本代表は、馴れ合い所帯である印象はぬぐえない。すべて、監督のチーム戦術に従うだけの空気が、さらにオブラートになってしまっている。それがチームワークとして、良い方向へ向けば、いいのだが、往々にして、波風、衝突無しに作り出されたチームワークなど、バブルな風船と何も変わりない。

つまるところ、サッカー日本代表の構成において、タイプの配合次第というところであろう。俺が決めてやるという人間が多くてもいけないし、ゼロでもいけない。ただ、今のサッカー日本代表には、そういう主体性ある選手が少なすぎる。少なくとも、今の日韓の差があるとしたら、そこかもしれない。せめて、次のセルビア戦で、石川、山瀬が代表に残るようなパフォーマンスを見せてくれることを願うだけだが。


*過去に書いてる記事を読んだものとして、箸折ってる部分がございます。