2010年W杯南アフリカ大会のシードが決まった。優勝候補はどこ?

      

参加32ヶ国が出揃い、2010年W杯南アフリカ大会のシードが決まった。


南アフリカ、イタリア、ブラジル、ドイツ、スペイン、オランダ、イングランド、アルゼンチン


フランスが、(例のハンド事件から)シードから漏れる噂もあったが、FIFAは、思い切って、前回準優勝国をシードから外してきた。シード算出方法を従来のものから変更して(予選重視にして)細工してきた。たしかに、フランスをシードにすれば、世界世論がまた何か騒ぐであろう。FIFAとしては、ただでさえ大会運営に懸念があるのに、これ以上の面倒は勘弁というところであろう。事実上、代わりにシードになったであろう、(02年W杯不出場の)オランダがシードになったことで、シード他国は一安心というところか。チケットのTST組にとっても、オランダのシードは歓迎であろう。また、フランスTSTを所有している方も、ある意味、楽しみか。

ただ、オランダとフランスが同組になったら、あまり意味は無い。おそらく、フランスは、イタリアの組に入り、前回決勝カードがグループリーグで再現というのが、ベタな落としどころか。また、ブラジルもフランスを苦手としているため、グループリーグで当たりたくは無いであろう。あと、忘れてならないのが、フランス対ドイツ。フランス対ドイツの公式戦は1986年以来ないため、そろそろ来てもおかしくは無い。1982年のフランス対西ドイツがフットボー史上のMAXな試合だったのはいうまでもない。


さて、今回、大会の顔になりそうなのは、今のところ、カカ、メッシ、クリスチャーノロナウドのバロンドール・トリオというところか。メーカーサイトでも、アディダス、ナイキの戦争も過熱しそうだ。だが、今回は誰の大会とかではなく、南半球の大会になるとわたしは見ている。

波乱含みの要素として、欧州の中堅どころであるスウェーデンクロアチア、ロシア、チェコ、トルコなどが抜けたことが挙げられる。特に、南半球には大きな追い風になっている。というのも、南半球の国々は、シードに負けても、(フランス、ポルトガル以外は)小粒な欧州勢と、(メキシコ以外の)アジア、北中米の国に勝てばいいのだから、それほど重い仕事ではない。

欧州の牙城は、(シードのランクでありながら)ノーシードのフランス、ポルトガルがいかに南半球勢を打ち倒すかである。とはいえ、欧州はシード以外はほぼ全滅になるだろう。アジアはいわずもがな。ベスト16、ベスト8には、おそらく、アフリカ、南米の国々で占められる。また、欧州のシード国も苦戦しそうだ。下手をすると、グループリーグ敗退が続出するかもしれない。

さて、今大会の優勝候補だが、いまのところ、前回大会のブラジルのようなダントツの優勝候補は出ていない。評価が高いのは、コンフェデ優勝のブラジル、欧州選手権優勝のスペイン、予選好調だったイングランドなどだが、とりあえず、シード国による横一線。よって、大会期間中に流れを掴んだり、組み合わせの運が良かったり、省エネで決勝まで進められた国が優勝するのではないだろうか。

当初、個人的には、アルゼンチンを優勝候補としていた。だが、あろうことかマラドーナが監督に就任し、その予想修正を余儀なくされる。もちろん、あのアルゼンチンのタレントが組織として働けば、ダントツの優勝候補といえよう。だが、マラドーナ監督の容の無いチーム&運営に加え、個人的な確執からリケルメを招集してないのは、致命傷だ。アルゼンチンの優勝の可能性は低くは無いが、かなり割引が必要になったのは間違いない。

基本的に、ブックメイカーのオッズなどが参考になるが、南米のブラジルが優勝候補に上げられるのは間違いない。もちろん、フランスやメキシコと対戦しないという条件付だが、タレント性を排し、チーム戦術で堅守のチームを作れば、間違いなく、前回大会より強いはず。すくなくとも、リスクさえ覚悟すれば、決勝までは進むと見ている。かたや、欧州勢で決勝に上るとしたら、スペインかオランダと見ている。アフリカ勢もベスト4に一カ国は進むであろう。スポンサー対策としても、そうしてくるはず。いずれにしても、波乱、波乱の大会で、南半球の独壇場になる。ベスト4も、バラツキのある顔ぶれになりそうだ。ブラジル、コート・ジ・ボワール、デンマーク、オーストラリアとか。(←なるわけないけど)