ツーロン国際敗退 ~ ワールドユースへ

U-20日本代表が、ツーロン国際を3試合消化で敗退したのはすこし痛い。吉田監督は3試合でOKだったのか、はじめから3試合と割り切っていたのか。勝負に徹しなかったのか。すくなくとも、(この世代に限れば)対戦した3カ国はU-21とはいえ、各クラブのリザーブリーグなどで干されている選手もいたり、日本が簡単に負けるような相手ではなかった。事実、もう片方の組ではワールドユースに出られない中国がオランダ、ポルトガル、ガーナを退け、首位で決勝トーナメント進出を果たしている。経験を積み、自信を得る上でも、U-20日本代表が2試合出来なかった事が、悔やまれる。


とかく、この世代に限れば、マスメディアは、小野や中田世代を引き合いに出しては、この世代はベスト8が当たり前のように報じる風潮がある。これがまたやっかいで、ボーダーラインのベスト8に達しないと、前回の平山世代もそうであったが、「失敗」「駄目」とみなされてしまう。これは思いのほかきついノルマ設定であり、今回も、グループリーグでナイジェリアを倒さない限り、ベスト16の段階で日本は優勝候補のスペインかウルグアイもしくは、ブラジルかメキシコと対戦することになる。せめて、ぬるいA組(カナダ、チリ、コンゴオーストリア)に入っていたら、・・・とは思うが、もう遅い。


もちろん、これまでのU-20日本代表と比べると、今回のメンバーはスーパーサブではなく、普通にJリーグでレギュラーをはっている者が比較的多く、世代レベルは格段に上がっている。さすがに控まで充実はしているとはいえないが、客観的に、ベスト8やベスト4に行けるだけのポテンシャルは備わっているとは思うし、行っても不思議ではないし、驚きもしない。ただ、本大会で国際試合経験の無さがどれだけ出てしまうか。・・・である。

マイナス材料も多い。すでにレギュラー格だったFW森本、MF長谷川が離脱し、戦力的には上澄みがなくなっている。エスクデロ帰化は間に合わない。期待の伊藤翔は試合感なく、選出漏れ。それと、U22、U20、U17はフル代表以上に監督が一番国際経験を持っているべきであるが、今のところは選手とのコミュニケーションを考慮してか、監督の経験の場を与える予備校のようになってしまっている。

懸念とされる守備に関しては、連携や約束事を決めて、実戦でのぶっつけ本番となるであろう。また、一対一や、不測の事態における個々の対応については、もはや運頼みという部分があるかもしれない。柳川、福元の奮闘、槙野の声だしでモチベーションを高めるしか今のところは手立てがないといっていい。名古屋の吉田とかも呼んでもいいような気もするが。

こうなると、このチーム、つまるところ守るより、殴り合いしかないであろう。
ある程度、失点は喫す分、点を取るしかない。左右のサイドバックには内田、安田がいる。(本職のサイドバックが左右に並ぶ日本代表もこの世代だけ)。柏木を中心とした攻撃に徹し、なんとか乗り切るしかない。彼が仕事して活躍できなければ、このチームはいとも簡単に惨敗してしまうであろう。つまるところ、柏木のチームである。そして、森嶋がどれだけ決められるか。ただし、1点を守らなければならない試合の進め方、時間帯の計算や経験が、チームとして未成熟なのが、すこし心配ではある。

横浜FMの乾など、ジョーカーとして面白そうな存在になりそうな気もするが、梅崎とかぶるのだろうか。