<A3選評> 浦和 3-4 山東

開幕したA3だが、中国の2クラブが白星スタートを切った。クラブの大会なのに、スタジアムに中国国旗が目立つのも、日本のクラブが相手であるからか。すこし、どこか2004年のアジアカップを思い起こさせる雰囲気で、粘りつく熱い空気、動かない空気がピッチから伝わってくる。

● 浦和   3-4 山東魯能 ○
○ 上海申花 3-0 城南一和 ●

上海申花も、ACLの時に闘った上海申花ではないようだ。城南一和が、すこし落としてきているとはいえ、3-0は見事としかいいようがない。山東魯能もホームでの強さを見せた。

浦和は山東魯能相手に4失点を喫したが、それぞれ失点の原因は明白で、1点目はバイタルエリアで相手をドフリーに放置、2、3点目はCK、PKのセットプレーでいたしかたなし。4点目は、昔の中田英から高原のようなホットラインにやられてしまった。総じて、守備の際の集中力のバラツキが起因にしている。もちろん、ベストメンバーではないが、Jクラブの中堅からすれば十分なメンバーでもある。とりあえず、山東魯能とは来年のACLでぶつかるかもしれない。そういう意味では、このアウェイは貴重な体験になったとポジティブに捉えたい。とくに山東魯能の、あの司令塔はなかなかいいもの持ってる。

しかし、同じ負けるにしても、1-4と3-4では気分が違う。
ワシントンもよく3分間で2ゴールを決めてくれた。田中達也も半年振りの動きにしてはまずまずで、随所で「らしさ」をみせた。やはり、彼の勝負根性とスピードの切れは、今の日本人プレーヤーには希少である。闘莉王も復帰緒戦にしてはまずまず。後から阿部と鈴木が合流するようだが、出来れば、休ませてもと思う。オジェックは浦和をバイエルン・ミュンヘンか何かと勘違いしてるのではないだろうか。もちろん、彼が今の浦和を高く評価している証左だが、疲労のマネージメントは秋に向けても鍵になってくる。今のところ、浦和の去年からの戦力上の貯金は減ってるかもしれないが、あまり増えてはいない。

次の城南一和は、秋にACLで闘う可能性がある。ねじ伏せるように勝って相手に苦手意識を植えつけるか、それとも、流して手の内を見せないか。そういう意味ではすこしやりづらいかもしれない。ただし、ベストメンバーで行ってコテンパンにやられるのは最悪かもしれない。それは間接的に同じACL組の川崎にも影響するし、ACLの期待感という上でも、ベストでの完敗は避けて欲しい。

*オシムには、田中達也の代表招集はやめてもらいたい。(高原と組むといいのはわかるが)


【週末のコメント】

チャリティマッチとはいえ、中田英は引退前と同じパフォーマンスを見せることが可能であろう。

●年末のクラブ世界選手権にミランが来るとなれば、南米はボカ・ジュニアオルスでほぼ決まりであろう。2003年のリベンジ実現か?