<展望>2018年ワールドカップ・ロシア大会「新たなスタンダードより原点回帰か」

      
        
たとえば、わたしの優勝予想はフランス。ポルトガルアイスランドが準決勝まで進むというもの。予想ならなんとでもいえる。だが、予想はどこの国がどうこうでなく、大会の流れを読むほうが本質的だ。どこの国が大会の流れ・傾向に乗れるかどうかでしかない。

そんな流れ・傾向は、ロシア対サウジアラビアのオープニングゲームで決まる。先制した国が必ず勝つ、スコアレスゲームが多い、逆転ゲームが多い、ビデオ判定、ミス、ゴールが多い少ないなど、傾向を読む上で開幕戦は注目である。ロシアが3-0で快勝スタートとなれば、大会は盛り上がり、順当路線でグループリーグは流れるだろう。逆に、ロシアが引き分け以下だと、アジア勢が善戦し、本命が楽に勝ちあがれない混沌とした流れになる。

個別に見ると、グループリーグで波乱が起こりうる試合は、ブラジル対スイス、アルゼンチン対アイスランド。次点でメキシコ(かスウェーデン)対ドイツ、イングランドパナマ(かチュニジア)くらいか。
スイスは2010年大会でもスペインを初戦で喰っている。アイスランドは格上との戦い方を心得ている。パナマが新風を巻き起こしても、さして驚かない。

各大陸枠の関係から大陸予選が厳しくなり、オランダ、イタリア、ウェールズ、チリ、アメリカなどの強国が出場しない。このあたりも大会にどう作用するかも注目である。
そういう意味で注目はアイスランドだ。アイスランドが初出場でベスト4、3位になっても驚かない。自陣深くから展開する攻撃時のロングカウンターは電光石火で決める。人口30万人の国というのもあり、代表チームというよりクラブチームに近い。ゆえに点差が開いても誰も諦めない、最後までゲームを捨てない。軽いプレーなどなく可能性を信じて戦うスタイルは模範となろう。もちろん、彼らが自分たちの戦い方を披露出来ればの話だ。

かなり王道から外れてるが、各組の展望を。

■A組
◎ロシア 
△サウジアラビア 
 エジプト 
○ウルグアイ 
はたして開催国の開幕戦敗戦があるか注目ではある。W杯クオリティを保ってきたジンクス(開催国は必ずGL突破する、開催国は過去の出場国など)が次々と破られているため、アノマリーな流れが決まっていると、ロシアが開幕敗戦する可能性は否定できない。
とはいえ、日本国内では、ロシアを過小評価している向きもあり、それだけは馬鹿げているとだけ言っておこう。
ロシアは組み合わせと対戦順に恵まれた。おおかたロシアは無難にグループリーグを抜けるみてる。日本は、重圧のかかる開幕戦に入らなくてよかったといえよう。ただ、ロシアはEURO2016のマルセイユで暴れたフーリガンが再び暴れるようだと、そこで空気を悪くしてジ・エンドになる。
組全体では、初戦を取った国がグループリーグを突破する。実質シードはウルグアイだが、エジプトはサラーのコンディションが戻って緒戦引き分けなら活路はある。サウジアラビアは、堅実に守ってどこまでというところ。もし、サウジアラビアが緒戦で大敗すると、開幕戦後に監督更迭などもありえなくはない。


■B組
○ポルトガル 
△スペイン 
 モロッコ 
△イラン 
素直に◎を打てる国はない。
ポルトガルに○を打っているものの、苦手のスペインに初戦で敗れると敗退確定。逆にポルトガルが初戦に引き分け以上で混沌とした状況になり、ポルトガルのベスト4も見えてくる。EURO優勝で、もはやCロナウド頼みのチームではなくなっている。いまや二人のシウバ(アンドレシウバ、ベルナルドシウバ)の出来如何ともいえよう。
イランも初戦を取れば、得意の堅守から勝ち点5でグループリーグ突破の青写真が組みやすい。これはモロッコにも言えることである。
スペインの監督更迭は、チームの空気が濁るかどうかまったく関係ないのか。ポルトガル戦でそれを確認できるであろう。一見、世代交代を果たしたかのような彼らが最近のイタリアのように、二大会連続のグループリーグ敗退があるかに注目だ。


■C組
◎フランス 
 オーストラリア 
△ペルー 
△デンマーク 
優勝候補本命と見ているフランスがどのようにグループリーグを突破するのかに注目。もちろん、ムバッヘ、デンベレ、トマルマールの活躍がフランスの命運を決めると言ってもいい。2位抜けは地理的な面からデンマークとしておくが、ペルーとの争いになるであろう。ゆえにペルー対デンマークの初戦は、互いに初戦は負けられない好ゲームになる可能性あり。オーストラリアは、ロギッチ中心に現実主義に徹すればチャンスは広がるが、初戦のフランス戦で大敗しないことが条件となる。


■D組
△アルゼンチン 
◎アイスランド 
△クロアチア 
 ナイジェリア 
死の組といえよう。組の命運は、アルゼンチン対アイスランドの結果に左右されるが、格上との戦いに動じないアイスランドは二位以内突破で◎。組本命のアイスランドに勝てるチームは、大会の中でもそんなにはいない。
アルゼンチンは、メッシ依存でなく、いかにチームになりえるかにかかる。チームになれば、グループリーグ突破は普通に可能。アルゼンチンは二位抜けになるとR16でいきなりフランス。はたまたアイスランドの二位抜けならユーロ2016準々決勝の再戦(フランス対アイスランド)。ナイジェリアは若手FW陣の爆発がないと厳しい。地味でなく派手にゲームを進められれば、グループリーグ突破もある。クロアチアはチームより自国サッカー協会の足の引張りや一部サポの暴発がなければ、普通に○を打てるが、なにごともないことを祈るしかない。そして、チームの雰囲気次第というところであろう。クロアチアの敵は相手でなく、外野の自国民である。


■E組
△ブラジル 
◎スイス 
 コスタリカ 
△セルビア 
大物食いが得意なスイスがブラジルを下せるか注目。スイスは二位以内での突破で◎。ブラジルがスイスに敗れれば、グループリーグ敗退があってもおかしくないタフな組。ブラジルは守備の出来次第というところ。緒戦のスイスに勝てば、3連勝で組首位突破となる。コスタリカは流れ的に前回大会の反動から1勝も出来ずにグループリーグ敗退としておく。セルビアは、ブラジル、スイスに組み合える力はあり、サイドが躍動すれば、GL突破は十分射程圏であろう。


■F組
 ドイツ 
○メキシコ 
◎スウェーデン 
△韓国 
W杯本大会に出場すれば、大物食いをするスウェーデンが二位以内での突破として本命としておく。彼らの闘い方は堅実でスピリットもある。やることがはっきりしていて一番、ブレの少ないチームである。ただし、格下が苦手で、初戦の韓国戦を取りこぼすと、1勝もできずにグループリーグ敗退となる。
韓国は、緒戦のスウェーデン戦を引き分け以上が最低条件。韓国は日本の結果の連鎖アノマリー対象なので、要注目である。韓国がスウェーデンに勝つとしたら、スウェーデンのような堅守速攻の闘い方をすればいいだけだ。どちらが我慢して引いていられるかの勝負になる。
ドイツ対メキシコの勝者が一位抜けとなろうが、メキシコも調整に失敗せず、ドイツに引き分けならメキシコに分が出てくる。注目は、二大会連続での前回優勝国のグループリーグ敗退があるかどうか。ドイツに◎を打たずに無印で、こんなこと書くのは世界でもここだけだろうが、ドイツ80年ぶりのグループリーグ敗退とみている。


■G組
○ベルギー 
△パナマ 
 チュニジア 
○イングランド 
パナマがベルギー、イングランドに引き分ければ、一気に面白くなるが、試合を見る分には、一番つまらない組。パナマが下馬評を覆して新風を吹きあらすか。とはいえ、イングランド、ベルギーの未来の見えるチーム構成は魅力がある。他強国のように主力が今大会後にごっそり抜けることはない。2020年EURO、2022年W杯カタール大会までを視野に入れながら想像力を掻き立てさせてくれたらありがとうといいたいところ。ふがいなさを出さずに勝ち進めば、両国ともベスト8でブラジルかドイツと対戦となる。


■H組
 ポーランド 
△セネガル 
△コロンビア 
○日本 
大会の最終組とあり、ゲームが一番遅く、それまでの大会の流れに左右されやすい。ゆえに流れや展開で各国、上下の振れが出やすく、本命の◎を打てる国がない。ひとまず、大底からのV回復と踏んで日本に○を打っているが、実のところ、毎大会、日本は、アジア勢のイラン、オーストラリア、特に韓国などの結果(惨敗、健闘)に寄せる傾向があるため、彼らの結果次第というアノマリーな部分は否定できない。韓国がスウェーデンに勝てば、日本も勝つし、韓国が引き分け以下なら日本もそうなる。
実力的にはコロンビアが実質シードで、彼らが初戦を取れば、◎印が点灯し、残りの椅子を三ヶ国が争う。日本は、緒戦のコロンビアに敗れなければ、グループリーグ突破が見えてくる。逆にコロンビアが日本から勝ち点3を取れないようだと、グループリーグ敗退もあり得ある。少なくとも、日本は相性からポーランドに負けることはない。ポーランドは守備崩壊でグループリーグ敗退。おそらく、仮に二連敗して敗退の決まった日本にも勝てないであろう。



最後に、戦術やシステムなど新たなスタンダードが大会後に基準として示されやすいが、今回は、戦術やシステムより、幸運不運、闘う、経験値がモノを言うなど、よりアナロジックな原点回帰にシフトするかもしれない。いかに、よりフットボールを知っているかが勝負の分かれ目になる試合が増えるであろう。

というのも、日本のみならず、どの国も主力年齢層が25‐30歳前後と、おじさん度数が高い。経験値が高い分、スピード感より駆け引き、打ちあいになるかスコアレスのどちらかに偏るタフな試合が増えるのではないか。もちろん、フレッシュ感、新味に欠ける印象は否めない。
逆に、スタメンでのベテラン、若手の構成バランスがいいのは、イングランド、ベルギーになる。彼らが勝ちあがるには、試合ごとに調子をあげてチームが出来ていき、簡単にあきらめて集中力を切らさず、ギアを上げるタイミングになるであろう。今大会の結果如何では、この二か国は次回大会の未来が、明るくなろう。
また、ビデオ判定が導入され、誤審が減る分、話題が無くなり、厳密に味気ない凡庸なゲームが増えるのかもしれない。


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