＜展望＞ イラク代表 対 日本代表 「すでにブラジル戦を見据えて」

　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　

日本にとっては消化試合。イラクにとっては負けられない正念場の試合。こういう試合は、えてして前者の方がゲームをモノにすることの方が多く感じられる。勝たなければならないイラクが自滅する可能性はある。もちろん、イラクが気持ちを乗せて勝利を掴むこともある。50：50である。この試合に限れば、実力云々でなく、イラクのモチベーションのコントロール次第になる。日本は、流れに乗ればいいだけ。

イラク代表の考え方だが、日豪に連勝すれば、プレーオフが見えてくる。そういう意味で、前半の彼らのスタートに注目したい。果敢に攻めてくれば、日本は受けないこと。慎重にきたら、そのままお付き合いしてしまってもかまわない。0-0のまま時間が進めば進むほど、イラクは苦しくなる。失点したら、そこでイラクはジ・エンドに。逆に、日本が失点した場合、特に前半の早い時間に日本が失点したら、そこではじめて日本のスイッチが入るであろう。

かたや、日本代表は勝つと頭ではわかっていても、芯から勝利への飢えが出るのは難しい。よって、0-0か1-1のままドローで済めば御の字。同じドローでも2-2以上は、動きすぎになる。後のコンフェデレーションズ・カップを考えると、この試合は、怪我なく、省エネで済ませられればよい。よって、内容や結果にさほどの重みは無い。選手個々の調整にもあてられる。とはいえ、そう上手くコントロールは出来ないであろう。

イラクがミスなどで自滅するなら、日本の快勝もあるが、負けてもなんら不思議は無い。ただし、日本の対応次第では、Ｂ組２位、３位争いの行く末を左右するかもしれない。そこに注目したい。日本としては、どっちに転んでもいいところだが、仮に日本がイラクに負けてしまうと、イラクは最後の豪戦へ望みを繋げられる。オーストラリアにとっては、日本にはイラクに勝ってもらいたいところであろう。気分的な部分もあろうが、日本としても、コンフェデレーションズ・カップへ良いイメージで入りたい。特に、気の抜けた試合内容でブラジルへ行けば、観光気分で戦場へ入ることになる。

後日、＜展望＞　ブラジル代表　対　日本代表　に書こうとしてることをさらっと書くと、「マイアミの奇跡」以来の勝利が来ても、おかしくは無い。緒戦の難しさは強豪にも必ず付きまとう。ブラジルは、Ｗ杯本大会まで公式戦がなく、ぶっつけになる。日本が前半に失点しなければ、チャンスは出てくる。ホームのプレッシャーは先制点の時間帯、有無によって、ブラジルの負荷、ないし味方にもなろう。ちなみにFIFAランクは関係ない。３試合消化して望む日本の調子自体は悪くない。相手が格上であれば、アジアの国とは違うモチベーションにもなる。とにかく、ブラジルが先制できず、時間が経つようなゲーム展開が望ましい。もしくは日本がセットから先制して、ブラジルが自滅するパターン。逆に、早い時間にあっけなく先制されたら、日本の大敗もありえる。ブラジルに気分よく試合をさせるかどうかになる。

すでに、ブラジル戦を見据えて、この試合に望むべきであろう。あくまで負荷の少ない調整。よって、イラクに負けたから、ブラジルには勝てないという方程式にはならない。むしろ、南米へ、気持ちをどのように上げていくのかがキーポイントになる。短期間にコンフェデレーションズ・カップに切り替えられるかどうか。にしては、今回は、あまりにも時間が少なすぎる。あと、ブラジルに勝つと本気で思っている選手が何人居るかだ。

最後に、個人的には、イラク戦の前に行われる韓国対ウズベキスタンの方に興味が行く。ここでウズベキスタンが引き分け以上なら、A組は最終節までわからなくなる。豪韓戦のプレーオフを見てみたいところだが、そうなる可能性はきわめて低いであろう。ホームの韓国が、あっけなく、さらっと3-0で勝ってしまうパターンがセオリーなんであろうが。混沌として欲しいところ。

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