09-10UEFAチャンピオンズリーグ決勝現地観戦記

     
   

UEFAチャンピオンズリーグ決勝前の天気は連日、快晴続きで雲ひとつ無い。気持ちの良い朝に、料理やビールはとても美味しい。地下鉄から吹き上げてくる熱風に、欧州の匂いを感じる。個人的には、今回の滞在は、EURO2004に近い懐かしい空気を感じた。とにかく、楽しすぎてブログを放置してしまうくらい、濃密で充実した滞在だった。もう一度、決勝の3日前に戻れるものなら、戻りたいものだ。

久しぶりのマドリードで、個人的に驚いたのは、街の治安が、大幅に改善していることだ。かつてのマドリードは、欧州先進都市でも一番の治安の悪さで、ソルは、ただならぬ雰囲気を放ち、首絞め強盗が多く、街中でカメラ撮影すら迂闊に出来なかった。しかし、今では、警官が多く投入され、道端にあるATMが普通に使え、地下鉄の治安もパリと変わらないほどまでになった。ニセ警官に出会うことすらめずらしくなっているという。もちろん、まだ、スリなどはいるものの、生まれ変わったマドリードに驚かされた。



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街中のスペイン人は、ごく普通にしていたが、街角のありとあらゆるところに、茶色いマドリードファイナルのポスターが目に付き、いやがおうでも、ファイナルという祭りの熱気が街中を包んでいく。



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現地先乗りは、バイエルンの方が早かったが、試合当日の出足は、インテルの方が上回った。結束や騒ぎ方も、イタリア人のほうがやかましくて楽しそうだった。日に日にイタリア人、ドイツ人が増え始め、盛り上がっていく。両者の関係は、ライバルクラブでもなく、付かず離れずで、友好的、敵対的でもない。むしろ、関係ない者が、迂闊に「フォルツァ!ミラン」と叫ぶ方が、ヤバそう。


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道端に張られていたファンフェスタの看板。



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サンチャゴ・ベルナベウ キックオフ20:45に対して、シエスタの15:00くらい。普通に日焼けします。



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バイエルンゴール裏の外。スタジアムの外は人でごったがえし、パトカーが鳴り響き、騎馬警官、警官やダフ屋が声を上げている。セキュリティを抜けて、スタジアム内に入ると、中の方が、空いてるくらい。



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試合開始前のセレモニー演出は、真ん中の黒装束による黒い都会風のフラメンコ?バージョン。この演出からチャンピオンズリーグアンセムに繋がる決勝バージョン。


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バイエルン・ミュンヘン側のヴィジュアル。準備が良いというか、早くて、うまい。



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インテル側のヴィジュアル。実は、そうとうモタモタして、端っこが引っかかって時間がかかり、一文字横断が完成したのは、キックオフ直前だった。



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バイエルン・ミュンヘンゴール裏から発炎筒が。逆に、インテルゴール瞬間は、スタジアムが爆発したような騒ぎに。逆に、インテル側は、「ミィリートー」「ミィリートー」「ミィリートー」「ミィリートー」で木霊する。サンチャゴベルナベウは、さしずめサンシーロト変わらない。巨大な声量は、ゾッとするくらい印象的だった。いまだに耳から離れない。こればかりは、日本では体感できない幸せ。



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ビッグイヤーを掲げた瞬間に、花火が一気に、スタジアムから夜空へ飛翔して行った。試合後の余韻のひと時だが、個人的には、試合開始前までの数日は、右肩上がりに気持ちが上昇し、試合がキックオフされた時点で、そこがピークだった。もっといえば、チャンピオンズリーグアンセムを聞いた段階で、そこが頂点。あとは、祭りの終焉に向かって、寂しさを感じる時間。(誤解を招かないように言うと)試合などは、デザートのようなものだ。試合終了後の0:00過ぎ、夜のネオンに浮かぶサンチャゴベルウ周辺の大通りは人でごった返し、発煙筒をたきながら、喜び狂うイタリア人が印象的だった。



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翌朝の新聞アス、マルカ紙のトップ。



【選評&短観  UEFAチャンピオンズリーグ決勝】
この試合のMOMは、当然ながらミリート。試合については、インテルの交代の仕方を見れば、一目瞭然で、ほぼインテルのゲームになった。最後、バロテッリを出せるくらい余裕があった(出さなかったけど)。スタンコビッチをスターターで出さず、サネッティを前で出したのは、他選手のイエロー累積の予備と先制された場合に備えたリスク管理ともいえよう。とにかく、インテルは、しっかり6人で守り、前の4人で攻撃する。サイドから放り込むか、縦パスから裏へ抜けて、一対一の局面を作るもの。戦術の単純明快さでは、サッカー日本代表と変わらない。しかし、その深淵が違いすぎる。

得点機を望めない中での先制点は、インテルにとって、願ったり適ったりの展開。しかも、GKからの縦パス一本に、ミリートがポストプレーでデミチェリスに競り勝ってスナイデルの足元に落とし、再びデミチェリスを振り切って、ゴール前まで陥れて、ズドンである。デミチェリスを置き去りにした瞬間に勝負アリだった。バイエルンのDF陣なら縦横の揺さぶりをかけたスピード勝負に持ち込めば、緩急で振り切れるというモウリーニョの狙いもあったといえよう。実際、ミリートの二点目は、組織で崩したわけでもなんでもなく、ファンブイテンが、ミリートのフェイクに簡単に引っかかってくれた。

かたや、バイエルンは、やはり、リベリーの出場停止が痛かった。不調とはいえ、こういう大事な場面では、インテルのリスク要因になりえる存在だっただけに、飛車角の片割れ落ちといえよう。それでも、少なからずバイエルンにもチャンスはあった。そこで決められるかどうかで展開も流れも違ったであろう。試合は事故がない限り、終始、インテルの意図の中で進んだ。チャンスは両クラブとも少なかった中、きちんと決めたかどうかのディテールの差が勝敗を分けた。

     
    
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