W杯・サッカー日本代表23名の短評 <2010年ワールドカップ南アフリカ大会>

      
  
   
前回のジーコは、貢献度重視で、貢献度の少ない選手は、除外された。今回の岡田監督は、実績重視といいながらも、実際は、チーム戦術に合致した選手の選出。チーム戦術に合致しない選手は排除された。そこで、今回は、チーム戦術に合致して選出された23名の短評を。

(  )内は、推定選出理由 +は長所、-は短所

■GK

楢崎 (理由無く必ず選ばれる)
+ 経験、実績、貢献度において、無難な結果を残している。
- 神ががることはない。楢崎で勝ったという試合が、親善試合のチェコ戦のみ。

川島 (若手&都築に第二GKの競争に勝ったということ)
+ PK戦にはめっぽう強い。
- ムササビになる。

川口 (チーム経験値が不安だから)
+ モードに入ると「神」。PK戦にはめっぽう強い。平面での勝負は、第一ゴールキーパー
- 怪我。高さ勝負はきつい。

■DF

駒野 (チーム戦術に合致ゆえ&サイドの人材不足)
+ フリーだと、クロスが正確。左右両サイドのポジションが出来る。
- 世界との勝負付けは前回のドイツ大会豪戦で済んでいる。世界で戦う格・器ではない。

内田 (チーム戦術に合致ゆえ&サイドの人材不足&若さ&ソニー絡み)
+ スピードは代表随一。若いということ。
- 国際レベルでの守備は、下の下。ベンチがどこまで目を瞑れるか。

長友 (チーム戦術に合致ゆえ&俊輔絡み)
+ サイドにおける上下のピストン運動、下半身が強く、あたり負けしない。思い切りはいい。
- 国際経験不足。考えすぎて、指示待ちになると平凡になる。

岩政 (岡田さん的には、他に人材が居ないから、しかたなくというところ)
+ 国内のCBでは、3本指に入る。
- 国際舞台では見逃してくれない小さな軽いミスを犯す。

中沢 (理由無く必ず選ばれる)
+ 日本代表では、唯一、国際経験が豊富。経験値ハードルも高い。
- スピードが無い。一対一の強さは、絶対ではなく、アジアまで。

闘莉王 (理由無く必ず選ばれる)
+ 闘う意思は伝わってくる。果敢な攻撃参加。
- スピードがない。イージーミスが多い。問題の中心になったりする。

今野 (理由無く必ず選ばれる)
+ 読みで勝負するタイプ。パスも悪くない。底の草刈り役としては、随一。
- 黒子、本職で使われていない。代表ベンチから信頼を得ていない。国際経験がやや不足。

■MF

阿部 (潰しが利く&スペア)
+ オールラウンドでつぶしが利く選手になった。
- 世界との勝負付けはアジア最終予選のアウェイ豪戦で済んでいる。前回の宮本と役割が同じ。

稲本 (理由無く選ばれる)
+ 展開を切ったり、変えたりするロングフィードは秀逸。
- ミドルシュートの精度がもっと上がれば…。

長谷部 (チーム戦術に合致ゆえ)
+ パス、シュートが発展途上で、まだ、伸び白がある。右サイドも守備範囲。
- つまらないミスが減らないのは、浦和時代から何も変わっていない。

松井 (チーム戦術に合致ゆえ)
+ ドリブル突破。
- ゴール意識がアシスト意識より高ければというところ。守備は上手くない。リスキーな存在ではない。

遠藤 (理由無く選ばれる)
+ パスが秀逸。ボールを収める中心。PKもほぼ信頼。
- 体調次第。パフォーマンスは、どうしても代表<大阪。シュート意識がもっと高ければ。

中村俊輔 (チーム戦術に関係なく、アディダス絡み)
+ FKは国際一戦級レベル。国際経験が豊富。
- 喧嘩メンタルは強くない。国際レベルでの守備は、下の下。リーダータイプではない。考えすぎ。

本田 (チーム戦術に関係なく、監督の好みに合致&唯一の別戦術バックアップ)
+ 敵味方からリスキーな存在として際立つ。唯一、強いメンタルと主体性を持っている。
- 嵌るときとそうでないときの乖離が大きい。

中村憲剛 (チーム戦術に合致ゆえ)
+ 代表での川崎のプレーは、岡崎とのホットラインのみ。戦術理解度高い。
- 修羅場の国際経験がほぼ皆無。持ち味出せず犠牲者に近い。チーム戦術に従順で殻を破れてない。

■FW

大久保 (チーム戦術に合致ゆえ)
+ 身体能力そのものは、国際舞台でも通用する。
- W杯出場のために帰国した目的を成就。退場の常連大将。

玉田 (チーム戦術に合致ゆえ)
+ 本番に強い。左利き。国際経験豊富で、緊張する性質ではない。
- 怪我がち。未知数。Jリーグでの数字、結果自体は平凡。

岡崎 (チーム戦術に合致ゆえ)
+ 体幹が強く、最後まで芯のバランスを崩さない。相性の良い中村憲剛とのコンビなら得点チャンス有り
- 国際経験が皆無に等しい。結果の責任を負えるほどエースを張る「格」ではない。

矢野 (チーム戦術に合致ゆえ)
+ 身体能力そのものは、国内においては図抜けている。切り札ではなくスタメンタイプ。
- 国際経験が不足。

森本 (チーム戦術に合致ゆえ)
+ 得点感覚、一対一でも対抗できる能力。良いパスさえもらえれば
- ゴール前で落ち着きがほしい。


個で点を取るチーム戦術ではないため、一部を除いた選出理由のほとんどがチーム戦術に合致ゆえになる。この中の面子のほとんどは、チーム戦術に適合する形で選ばれているため、もし、チーム戦術が通用しない、チーム戦術が不要な場面、展開になると、ほぼ修正不能になる。その中で、本田のみが唯一、チーム戦術にとらわれずに闘える選手である。そこしか逃げ道はないということでもある。

個人的に、岡崎、内田は、2014年W杯ブラジル大会へのステップとして考えるしか、納得する方法がない。だが、まだ、どこも書いてないが、今回のメンバー発表には、「次も日本はW杯に出場できる。」「今回の南アフリカは駄目でも、次、ブラジル大会がある」と踏まえた甘い認識が無意識に働いているのは否めない。次のブラジル大会、日本が出場できる可能性は、極めて低い。

・アジアの減枠。アフリカ6枠維持で南米が(開催国含めて)6枠になると、アジア枠が減る可能性が高い。
(3.5枠になれば、五カ国で1位のみ勝ち抜け、2位プレーオフ、3位以下は敗退)
・イラン、サウジアラビアが第三シードになる。
・W杯南アフリカの結果次第では、韓国と同組になる可能性が50%。
・死の組になる可能性も高い。「韓国、日本、イラン、バーレーン、UAE」
・黄金世代はもういない。貯金は無いということ。2002-2010に貯金を作らなかった。
・大陸プレーオフの相手がオセアニアとは限らない。
・UAEなど、アンダーW杯で結果を出している国がある。(日本は出場してない&3戦全敗)

次の大会に出られる保証がないとわかっていれば、こんな余裕こいたメンバーにはならないだろう。


*辛辣に書いてますのであしからず。