サッカー日本代表のW杯後のギャップダウンは断層に。

     
  
     

本来であれば、スーパージョーカー、逆転選出といわれるべきは、宇佐美、村松などである。しかし、現状は、石川、前田、小笠原、田中達也といった、本来、レギュラー格の面子がスーパージョーカー、逆転選出になってしまっている。この段階で、大会後のギャップダウンは避けられない。もちろん、それを平然と報道してるメディアにも、責任はある。

本来、中村、遠藤などは、バックアップ的な立場に居て、森本、吉田、槙野、柏木、谷口、今野、阿部などがチームの主体で無ければならないところ。しかし、岡田監督は、たったひとつのチーム戦術を固辞し、目先の結果を求めるため、若手引き上げでチーム作りをせず、黄金世代の残滓に縋る手法を取った。まあ、わからないでもないが、長い地続きの未来を考えれば、目先筋の考えでしかない。

直接ではないが、発注元の日本サッカー協会のスタンスにも問題はある。

日本サッカー協会は20日、ワールドカップ南アフリカ大会の直前の6月4日に日本代表が行う強化試合、コート・ジ・ボワール代表戦(シオン=スイス)の開始時間が午後0時20分(日本時間同7時20分)に決まったと発表した。5月30日のイングランド代表戦(グラーツオーストリア)の開始時間時間は午後2時15分(日本時間同9時15分)

サービスとしてはいいが、人気取りに躍起、視聴率取りにプライオリティが行ってしまっているのは明白。強化ではなく、視聴率や人気を気にしている。だが、それよりも、もはや、商品として売るものはないのだと、気づくべきではないだろうか。


サッカー日本代表のW杯後のギャップダウンは避けられない。それを必死に埋めるどころか、覆い隠そうとする日本サッカー協会。だが、大きく力の落ちた代表が、W杯前の代表と比較され、評価は民主党並みに下落し、落ちるところまで落ちるであろう。しかも、半年後のアジアカップ、一年後の南米選手権で結果が出なければ、それこそ、金子達仁氏でいうところの「断層」をつけることにもなる。W杯での結果など、手前味噌でしかない。

本来であれば、人気取りではなく、きちんとした代表監督を据え、アンダーの強化を充実させ、国内の(主審、過密日程解消など)Jリーグの改革を推し進める。まだまだ種を蒔く時代であることを自覚すべきであろう。とりあえず、サッカー日本代表のW杯後は、ロンドン五輪チームをそのまま2014年ワールドカップブラジル大会に移行させることになるのが一番スムーズであろうう。おのずと、アテネ北京五輪世代は、ほぼ一部を除いて、スルーされる。