J・LEAGUE★第7節 <若い芽、見えない貯金>

      
    
      
今節、ようやく大阪の宇佐美が先発した。去年まで自慢だった外国人アタッカー不在の中、巡ってきたチャンスだが、平井への縦パス一本は、非凡なもので、代表でジョーカーとされるべきは、彼であろう。28歳の石川が代表レギュラーとしてでなく、ジョーカー扱いされている段階で、代表の順繰りが一回り遅れている証左と考える。大阪も彼がまだ居るというという意味では、運いている。90分フル出場し、ユースでのプレーそのまま。パスも出せて、ミドルシュートもあり、ドリブルも出来るだけに、このままレギュラー定着してもらいたいところであろう。出来れば、森本のように、早く、海外へ出たほうがいいだろう。日本では正確な評価がされにくい。

おなじU-20の世代である東京の重松も先発し、浦和の原口も途中出場。ロンドン世代の大迫も先発した。20歳前後でレギュラーか先発するのは、数年前では、あまり考えられなかったが、クラブレベルでは、ゆるやかな底上げがなされているといえよう。良い傾向だが、代表、ユースレベルでは、あまり芳しくは無い。

さて、ここまでのJリーグにおいて、見えない貯金をしてるのは、清水と川崎だ。夏クラブの清水は夏から勝ち点を稼ぐのは毎年のこと。また、川崎は、ジュニ、中村が居ない中でのこの位置。VJの存在も大きい。ACL敗退となれば、逆に、追い風になる。果たして、来週、3年連続の埼スタ3ポイント奪取なるかというところ。正直、この2クラブは相当先を走っていると見ていい。また、名古屋も試合数が少ない分、ACLもない分、有利な立場にある。

浦和だが、開幕前に書いた通りのシナリオになっている。開幕の鹿島戦を落とし、その後の5節は比較的、相性の良い組みやすい相手が続くだけに、ここで勝ち点を稼がなければ、今シーズンは無い。今のところ、ブレイクまでの天井付近といえよう。そして、次節からの5試合は、ホーム4試合とはいえ、川崎、横浜、東海3クラブといった得意でない相手が続く。ここで勝ち点を稼ぐのは、難しく、ある程度の急ブレーキは覚悟しておいた方がいい。勝ち点15は、そのための見えない貯金のようなものだ。勝ち点20行くか行かないかだが、ブレイクまで一桁順位で折り返せれば、まずまずというところであろう。

さて、7節の短評を。

1 清水 大勝で、無敗維持。次の万博で真価が問われる。
2 浦和 新潟はお得意様に?。怪我人が増えて、これから「死の5マッチ」を迎える。
3 川崎 もはや、お得意様となった広島から快勝。黒津、VJもGOOD。
4 名古屋 耐えて、省エネ勝利。3連勝。一試合少ない中でのこの位置は上出来。
5 鹿島 マルキ不在ながら、連敗は阻止。勝てた試合かもしれない。
6 仙台 大敗そのものより、負の流れは切りたい。貯金はある。
7 横浜 攻めているが、決めきれない。なんとなく芯が入ってない印象。
8 東京 鹿島と組み合えたのは収穫だが、突き抜けられない。
9 山形 田代2戦連発。連勝。貴重な勝ち点。
10 広島 ややチーム状態が重い。ブレイクまで持たせるしかない。
11 京都 良い攻めで、勝っていい内容だったが、なぜか0-2敗戦。
12 G大阪 初勝利。宇佐美初先発で魅せる。怪我人多し。平井、宇佐美、菅沼で世代交代を。
13 C大阪 10人で耐え忍び、大きな勝ち点1。
14 磐田 なんとなくリズムをつかめずに、90分が過ぎてしまった。
15 湘南 決められれば、勝てていたが、らしい試合進行。
16 大宮 相性にすら見放された?。隣町同様、連敗ストッパーに。
17 神戸 このままズルズル行くのは不味い。
18 新潟 今の浦和から点が取れないのはまずいが、前半ブレイクまで我慢。


今節のピックアップマッチは東京対鹿島であろう。両チームとも、シュートは宇宙開発が多かったが、がっぷり四つで、押し合いのタフな展開になった。東京は、梶山、米本不在ながらも、大崩れせず、なんとかゲームを作りながら、踏ん張れている。羽生、今野の役どころは大きい。ただ、チームとしてプレーの処彼処で、甘さも目立つ。特に、ダイレクトで出せばいい場面で、躊躇ってしまうため、リズム、流れが悪い。考えているのか、怖がっているのか知らないが、安全に行き過ぎる。もうすこし、プレーがダイレクトに繋がれば、相手を崩せるはず。現時点では、そこまで至っていない。逆に、スムーズに緩急をつけて相手を崩せているのは鹿島で、あとはフィニッシュだけであろう。また、大事に至っていない権田の細かいミスは、未来の良い経験として捉えるか、未来の大きな負債と取るかは、本人次第であろう。