J・LEAGUE★第29節 <上位混戦に>

     
最近まで鹿島の優勝戦線シナリオだったが、その流れが大きく崩れているのか、それとも、鹿島が深く膝を沈めてジャンプアップを図ろうとしてるのか。去年同様、彷徨う2連覇王者には、まだ、様子見ムードがそこはかとなく漂う。不気味でもあるし、ブラフかもしれない。ただ、上位陣は混戦しすぎで、トリガーやストライクが集まりすぎてるため、どこかのクラブの一噴きすれば弾ける。それで抜けるクラブがどこかというところ。

しかし、川崎はよくわからないチームだ。(EURO2000準決勝のオランダではないが)普通、試合中にPKを2本外せば、負け試合になるのに、3-2で勝ってしまうあたりは、セオリーではまったく通用しない未知なる生命体のようだ。また、川崎と対峙した大宮も、クラブ最多の観衆4万2346人を集めたが、埼スタは川崎の準ホームなのは浦和戦で実証済み。この降格争いの大事な時期に、集客を取りに行った大宮フロントの判断は吉と出るか?。

横浜は、狩野中心にほぼ固まってきた。守備も悪くなく、長谷川がボランチ定着すればというところ。今季、清水とともに躍進するクラブの一翼として、(当ブログで)推奨クラブにしていたが、来季は上に参ります。となるであろう。渡辺、坂田以外にFWの外国人を配置して攻撃力に厚みを持たせば、来季の優勝争いには確実。視察していた岡田監督も、狩野の動き、特にセカンドボールを取る位置取り、ルーズボールを取るセンスに目が行っただろう。ある意味、最後にボールを託せて、相手から嫌な存在、危険な存在になれる選手である。清水が藤本でなく、枝村を中心に据えたように、山瀬でなく、狩野を中心に据えて行くしかないだろう。

もうひとつの今季の推奨クラブである清水だが、大分の降格阻止の集中力・守りにかち合い、対戦順の巡り会わせが悪かった。こういう時は、ラグビー早慶戦同様、首位、最下位は関係なくなってしまう。岡崎は、こういう試合でドロー弾を放てると、一皮向けるのだが。ただ、次の東京戦、石川が怪我で離脱というのは、(誤解を招かないようにいうと)運いてるかもしれない。

順位を見ると、8位浦和と9位名古屋の間に小さな窓が開いた。また、下でも、15位大宮と16位柏の間にも小窓が。降格圏では、山形が、いい緊張感を持ってやっている。


さて、29節の短評を。

1 川崎 埼スタは準ホーム?。埼スタで、からならず3点取るのは、もはや「お約束」メモリー
2 鹿島 システムいじったが、やはり、戦い方は変えられない。すこし、ベンチに迷いも。
3 大阪 お得意様相手に、勝てなかったのは痛い。総合的に優勝する実力があるのはここなんだが。
4 清水 先制したが、大分の最短降格タイ記録阻止にぶつかり、タイミングが悪かった。
5 新潟 浦和との相性もあるが、最初のイージーミスがそのまま試合を決定づけた。もったいない。
6 広島 もはや、相性か。勝てたかもしれないが、大阪を本気にさせすぎた?。
7 東京 4発ぶち込んだが、石川の怪我が心配。次はアウスタ清水。続いてナビ決勝と正念場が続く。
8 浦和 監督さんはすばらしいサッカーと言うが、どこが?。選手のモチベーションだけで、戦う容はない。
9 名古屋 内容では完敗。サイドを気にして狩野をフリーにしすぎ。リスクチャレンジも足りなかった。
10 横浜 最後、ロスタイムに狩野が決めたが、あれも必然。終始、狩野がゲームを支配したのは明白。
11 磐田 かっての日本ダービーのような緊張感ある試合だった。いい集中力だった。
12 京都 最後、追いついたのは士気の上でも大きい。あと、一つ勝って、楽になりたいところ。
13 山形 自分たちの容で勝利。大きな勝利。あと、2勝は必要か。
14 神戸 約10年ぶりの山形戦敗退。タレントは居るが、試合で勝てない。決めきれない。
15 大宮 不自然力学の川崎の前に、なすすべなく。ナック5でやったほうがよかった?
16 柏   ボロボロだが、あきらめるには早い。流れは来る。はず。
17 千葉 リードしていても、最後の最後に追いつかれてしまう。今季の悪い流れそのままに。
18 大分 高松二発!。今季、名古屋、浦和にも勝ってるのだから。「まだだ、まだ、終わらんよ。」


川崎は、首位。残りの試合を5連勝すれば、確実に優勝する計算だ。ACLもなく、とりあえず、上位との直接対決がない分、有利だ。むしろ、下位クラブとの対戦ゆえ取りこぼしさえなければというところ。ただ、ナビ決勝の結果が、メンタルにどう作用するかである。優勝逃して、落胆するか発奮するか。優勝してさらに勢いに乗るか、満足して落下するか。いずれにしても、実力云々という域ではなく、(優勝する資格があるのかという)川崎のメンタルが試されるところ。優勝するとなると、天皇杯を残して、ナビスコとの2冠となるであろう。

また、最後の浦和対鹿島戦は、どうなってしまうのだろうか。かっての横浜優勝時のように、余所のクラブの優勝の命運を、浦和が握ってるような気がしないでもない。ただ、この最終局面で清水対川崎を組めなかった日程君は、やや(プログラミングの)詰めが甘い?