★【注意】南アW杯チケット不足、入手難を煽る個人・旅行会社は注意!

    

  
今回の2010年ワールドカップ南アフリカ大会は、(過去のような)チケット難民は出ないはずである。事実、3月の一次販売、そして、5月の二次販売、8月の二度にわたる大売出しにより、ほとんどの人に(決勝以外)なんらかのチケットが行き渡っているはずである。また、一次販売で(チケット現地受け取りを知らずに)チケット当選した方も、すくなからず居るせいか、キャンセルしたい層もいるくらいであり、完全な買い手市場である。

事実、9月の現時点でFIFAのサイトでは、決勝やイングランド戦以外は、ほとんどのチケットが今も売り出されている。今後、三次販売、四次販売、五次販売と続くが、過去の大会と同じ流れならば、チケットが完売する事はない。もし、チケット不足が起こるとしたら、それはFIFAがスポンサー対策で、(メディアにチケット不足を意図的にアナウンスしたり、)なんらかの供給制限をした場合に限る。たとえば、海外販売サイトで余った分、FIFA内部(スポンサー分、各国サッカー協会分含む)で余り調整された分が、無料チケットや安価なカテゴリー4のチケットに流れる可能性はある。とはいえ、チケットが不足するという文句は、現状の事実とは明らかな誤りである。

そんな中、チケット不足を謳うような旅行会社があったら、どうかと思う。たとえば、観戦ツアーにチケット代を大きく上乗せしていたり、チケット入手が難しいなどと謳うような旅行会社は、(情報に疎いとして)疑ってかかった方がいい。もっというと、W杯チケットで利ざやを稼ごうとする業者、個人、旅行会社は、要注意と見ていい。


前回のドイツ大会でも、「実は、日本戦チケットが買えるのです。」と謳い、アフィリエイトで(事実とは違うアプローチをし、数百万円を稼いだ輩(個人)が居たが、今回も、そういったW杯チケットで利ざやを稼ごうとする業者が…

それは、日本ではなく、アフリカ現地に拠点を構える日本人の小さな旅行業者のようだが、(南ア現地の業者はそんなに多くは無いので、ネット検索で調べれば、すぐにわかるが)、チケット販売で以下のようなブローカー展開をしている。

【2010年W杯通信】 W杯ホスピタリティチケットの取次ぎについて (09/17)

2010年W杯のホスピタリティチケットの販売取次について、改めまして案内を致します。

    (中略)

一般発売分のチケットについては既に完売が予想されており入手が非常に困難な状況ですから、ある意味このVIPチケットの入手は残された数少ないチケット入手方法のひとつになると思われます。


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たしかにホスピタリティチケットはチケット入手方法のひとつではあるが、一般販売で入手が非常に困難というのは、完全に事実とは違うばかりか、この最後の一文で、この業者の実力、チケット販売の浅さが垣間見える。大会関係者かなにかの言うことを(裏も取らずに)そのまま鵜呑みにしてるか、W杯チケットの取り扱いは今回が初めてで、まるで過去のノウハウ、経験がないかのどちらかである。いずれにしても、サッカー関連には、素人丸出しであるのは間違いない。

(過去の大会もそうだが)そもそも、W杯のホスピタリティチケットは、高額に設定されている。一試合単価計算でだいたい9万から20万円で、中には50万円、400万円のものまである。というのも、ホスピタリティチケットは、企業向けの接待用のチケット・パッケージであり、購入側も会社の経費として落とせるから、それなりのハイサービスと高額設定が可能なのである。

にもかかわらず、この高額チケットを個人に売るというのは無神経というか、普通の神経ではない。サポーターという人種を何もわかっていないばかりか、サッカー観戦者を、裕福な観光旅行者と勘違いしているのではないだろうか。もし、この業者が、「高額チケットですが、希望者が居れば、一応、扱ってます」程度のアプローチだったら、まだ、わかるのだが、こんな馬鹿高いチケットを、チケット不足をちらつかせながら平然と売る感覚が普通ではない。さらにいうと、このホスピタリティチケットの申し込み自体は、3月時点でFIFAのサイトからでも(英語で)申し込みは可能だった。

毎大会こういったチケット絡みで、チケット不足、入手難を煽る個人・旅行会社、業者が現れるが、正直、もっと他で儲け話を考えた方が、よほど有効である。W杯チケットで利ざやを稼ごうとする段階で、終わっているといえよう。


*記事は、稼ぐという行為そのものを否定してません。あくまで事実と違った文句で販売展開をしている行為への指摘です。