鹿島対川崎は試合途中からの再試合で。

      
ルールだから。
前例が無いから。
規則だから。

たしかに、ルールは守らなければ、ルールではない。社会構成上、守るべきであるのも分かる。だが、例外もある。もはや(尾崎豊の歌詞に出てくる)ルールに縛られる時代でもないし、そんな杓子定規な感覚で仕事してる人が居たら、相当な幸せ者か、税金の虫食い連中しかいないであろう。時代は、戦後60年続いた自民党にNOを突きつけた。そして、いまや社会も企業も常に朝令暮改だ。変化の無いところに成長などない。

Jリーグ理事会は、大雨によるピッチコンディション不良で中止になった12日の鹿島対川崎(カシマスタジアム)の対応を協議し、通常なら0-0で再試合のところ、10月7日(開始時間未定)に同スタジアムで中断した後半29分から、現行スコアの3対1から再開することに決めた。

順当な判断であろう。もちろん、川崎勝利の試合成立でもいいが、1-3から16分+ロスタイムで同点になる可能性もゼロではないため、両チーム、サポーターの遺恨を残さない為にも、こうするしかない。過密日程、追加運営面でのある程度の負荷はしかたないのかもしれないが、その原因となった岡田主審とマッチコミッショナーの判断レベルが、極端に低かった煽りを、川崎、鹿島、Jリーグが受ける形だ。そこを見落としてはならないし、一番指摘するポイントであろう。

いつもミスジャッジを責め立てられるのは一部の主審で、毎回、問題を起こすのも同じ顔ぶれである。そうなるのも主審界の基盤が脆弱(人材不足)ゆえ、主審を厳しく取り締まれない状況が、主審の経験成長を遅延させているともいえる。日本の主審は、ジャッジメントだけみれば、非常に優秀な部類に入る。もちろん、ミスもあるが、(同じ過ちを犯す一部の人、例外を除き)世界標準は普通にクリアしている。

つまるところ、ピラミッド式の競争が無いから、主審の総合的なバランス感覚、あらゆる状況への対応力・経験値が伸びない。たとえば、試案だが、試合後ごとに効果査定を入れ、ジャッジ能力の差別化をし、順位付けるのも、効果的であろう。良いジャッジにはプラス査定、イージーミスジャッジにはマイナス査定、プラスマイナスで総合値を出し、報酬もそれによって大きく格差をつける。それなく、免許ごと一律に報酬を与え、ミスしても、戒告、研修、講習では意味ない。


さて、苦言が長くなったが、再試合について。ポイントは、まず、鹿島が再試合をすでに敗戦として、無いものとして考えるかどうかである。現状では、川崎が46に勝ち点が伸び、鹿島と川崎の差は勝ち点4差になる。鹿島がこれをプレッシャーと考えるか、まだ、余裕があると考えるかである。それによって、鹿島の出方も違ってくる。また、10月7日に、双方の勝ち点差が開いてるのか、詰まっているのか。当然、その差も鹿島のスタンスに大きく左右してくる。

いずれにしても、90分でなく、16分+ロスタイムでの再試合となると、戦い方もまるで違ってくる。まず、スタミナを心配する必要はまるでない。交代枠も1人使える鹿島が、状況に応じて、どのような戦術で臨んでくるか注目である。前述したように、鹿島がプレッシャーを感じていれば、攻撃的・圧力ある布陣を敷くし、逆に、鹿島が欲も無く、冷静に流しながら、チャンスがあれば攻撃というスタンスもある。川崎にとって、怖いのは、後者の場合である。一昨年のシーズン終盤のように、無欲で無駄な力の抜けた鹿島ほど、怖い存在はない。川崎、鹿島両者の勝ち点差が縮まっていればなおさらである。再試合で鹿島が1点返すようであれば、わからない。それで3-3に追いつけば、勝ちに等しい。