AFCチャンピオンズリーグ GL第五節 <風は日本に吹いている>

  
  
決勝トーナメント一回戦は、1位抜けクラブのホーム開催一発勝負のため、グループリーグを一位で通過するか、二位で通過するかは、大きな違いだ。もちろん、並行するリーグとの兼ね合いから、アウェイの海外へ行く回数は一回でも少ない方がいい。すでに、今年の決勝は日本の国立競技場であるため、日本クラブが決勝へ進んだ場合、海外へ行く必要はない。極端にいうと、日本のクラブがグループリーグを1位抜けして、日本勢がすべてベスト4へ進めば、準々決勝の一回だけ海外へ行けばいいことになる。そういう意味で、今年ほど日本のクラブに有利な年もないであろう。どうぞ躍進、優勝してくださいといわんばかりだ。風は日本に吹いている。今後、このようなことは、二度とないかもしれない。当たり前に思わないことだ。

とりあえず、韓国クラブとの勝負付けは、もう済んだ。今後、日本のクラブの相手はサウジアラビアを筆頭とする中東勢になるであろう。それでも、日本の敵では無い。それぐらい、今、風は日本に吹いている。なにより、日本のクラブがACLに餓えているというか、CWCに出たいと思っている。

さて、東アジアの各組を見てみる。


■E組
1 名古屋(日本)            3勝 2分 0敗 勝ち点11
2 ニューカッスル(オーストラリア) 2勝 1分 2敗 勝ち点7
3 蔚山(韓国)             2勝 0分 3敗 勝ち点6
4 北京国安(中国)          1勝 1分 3敗 勝ち点4
名古屋と蔚山で決まりそうだ。アウェイに弱いニューカッスルに突破はない。


■F組
1 G大阪(日本)            5勝 0分 0敗 勝ち点15
2 山東魯能(中国)          2勝 1分 2敗 勝ち点7
3 FCソウル(韓国)          2勝 1分 2敗 勝ち点7
4 スリウィジャヤ(インドネシア)   0勝 0分 5敗 勝ち点0
複雑でない、わかりやすい星取表。2位争いは、山東魯能上海申花のようにスリウィジャヤに取りこぼすかが焦点。一度死んだFCソウルにも少なからずチャンスはある。


■G組
1 鹿島(日本)               4勝 0分 1敗 勝ち点12
2 水原(韓国)               3勝 0分 2敗 勝ち点9
3 上海申花(中国)            2勝 1分 2敗 勝ち点7
4 アームド・フォース(シンガポール) 0勝 1分 4敗 勝ち点1
上海申花はアームド・フォースに引き分けて、千載一遇のチャンスをふいにした。この死の組は鹿島、水原で確定。最終的に波乱はない。


■H組
1 川崎(日本)                 3勝 1分 1敗 勝ち点10
2 浦項(韓国)                 2勝 3分 0敗 勝ち点9
3 天津泰達(中国)               1勝 2分 2敗 勝ち点5
4 セントラルコースト(オーストラリア)   0勝 2分 3敗 勝ち点2
川崎は、天津でアウェイの洗礼を受けるも、経験だと思い次戦ですっきり勝ちたい。


結局、なんだかんだ日本と韓国で東アジアを牛耳りそうだ。オーストラリアの枠を3つにして、オーストラリア国内での出場基準をもうすこしまともにすれば、まだ良くなる気もする。今大会の豪2チームは、正直、(2007年に浦和が対戦した)シドニーFCのレベルの半分以下だ。

日本は全クラブが1位突破しそうだが、これは驚異的である。平均的に見れば、1クラブ敗退で、1クラブが1位突破、2クラブが2位突破というのが、まずまず良い結果のはずだ。4クラブがすべてグループリーグ1位抜けするというのは、今のUEFAチャンピオンズリーグの英国勢と波は変わらない。前述したが、(グループリーグ1位突破して)中東へ行かずにホームで出来るというのは、リーグの戦いを考えても、大きい。特に海外アウェイのうまくない鹿島には追い風だ。

日本勢の3ピートは濃厚な中、どこが優勝するかというのが焦点にも。川崎などは初優勝、初タイトルがナビスコ天皇杯でなく、ACL優勝だと、なかなかカッコいいかもしれない。もちろん、(天皇杯は獲ってる)名古屋も。リーグより先にアジア制覇。