南米 対 欧州 が確定したが…

  

トヨタカップの流れからクラブワールドカップの過去の(決勝)対決は、すべて南米対欧州。昨日、リガ・デ・キトが準決勝で勝ったため、これで今日の準決勝をやる前から、マンUが普通に勝つ流れになったといえよう。日曜日の決勝は南米対欧州で間違いない。

だが、マンUにアキレス腱が無いわけではない。マンUは、大阪の情報は直近のアデレード対大阪の試合のみ見て、ほぼ白紙。おそらく、ファーガソン監督より朴智星の方が、大阪の、いや、日本のクラブの特徴を肌でわかっているはず。もっといえば、朴智星がチームの雰囲気を見て、危ないのか大丈夫なのか一番良くわかっているのではないだろうか。マンU自身、週末にホットスパーとの試合を終えて、すぐに地球の裏側へ。われわれ日本人はアジアでの長距離移動に慣れていて、当たり前になっているが、正直、彼らには、きつい移動といわざるをえない。去年のミランのような(k1観戦含めた)早入りはない。もちろん、時差もある。日本で2試合して、すぐに帰国して、また、プレミアの試合が待っている。その辺の(仕事と休みたい)気持ちのバランスが不十分だと、危ないだろう。

マンUが勝つ場合を想定するのは無駄なので割愛するが、大勝はない。マンUが先制して2点獲れば、あとはスローダウンして流してしまう。後半は主力を下げて、メンバーを大幅に入れ替えるであろう。マンUが大勝するとしたら、大阪の集中力が切れた時のみ。モチベーションの切れた大阪の崩れ方はすさまじいため、ゲームが壊れて0-7とか信じられないスコアもなくはない。

逆に、大阪が勝つ場合、まず、大阪のモチベーションが挑戦なのか、勝利なのかという意識が重要。埼スタの浦和との対戦で見せる気持ちの入った戦い方ではなく、単なる憧れの挑戦だと、永遠に勝てないし、マンUの先制点が早いか遅いかで試合も決まる。去年の浦和も、ポンテがいないにもかかわらず、ミランが決定的なシーンを豪快に外しまくり、結果的にミランの辛勝に終わっている。(浦和の健闘ではなく、ミランの辛勝)。ワンマッチだから、何が起こるかわからないという試合だった。

あと、考えられるのは、マンUが実力差以外で展開してしまった場合、つまり、いつか点が入るだろうと、なんとなく試合してしまい、時間だけが過ぎていき、安田ごときに簡単にサイドを崩されたり、遠藤のFKで失点したりするパターンが考えられる。また、マンUが先の決勝のことを考えてしまった場合もそう。余力残しで戦い、点が取れないと、辛勝になる可能性がある。

同点で延長、PK戦(遠藤対ファンデルサールは注目)も少なからず考えられるが、大阪が勝つためには、FKなどのセットプレーによる虎の子の1点を守る戦いは向いていないが、それをやるしかない。乱打戦では相手が悪い。だが、(アデレードに完封はしても)Jリーグではかならず失点する大阪だから、乱打戦になるしかない矛盾もある。もちろん、大阪は万全ではない。二川と佐々木がアウトしたのは痛い。頻繁にサイドチェンジを使って攻めるしかないが、攻守において橋本、明神あたりの仕事量が増えそうだ。鍵は交代で出る山崎。そして、FWの二人が決められるか。(バレーがいたら、また、違うのだろうが。)

とにかく、前述したように、マンUの先制点が早いか遅いかで、試合が決まるというのは言うまでもない。マンUの先制点が遅ければ遅いほど、大阪の分も上がっていく。また、スタジアムは日本だが、大阪のアウェイになる。横浜国際の7割は、マンUの赤いファンで埋まるであろう。マンUがワンプレーを披露するたびに、いちいち感嘆や黄色い歓声が上がる。ある意味、浦和の埼スタより性質は悪いだろう。(わたしも、去年のミラン対浦和で体験済)。

とりあえず、決勝で見たいのは、マンUリガ・デ・キト。すこしだけ期待したいのは大阪というところ。(難しいのはわかるが)せめて、大阪には、浦和に向かってくるあの戦い方をしてもらいたい。