<展望> 日本代表 対 ウズベキスタン代表

  
今予選は、5カ国総当りのグループリーグのため、他国との関係が微妙に絡んでくる。対戦順、ホーム&アウェイ、時期による気候など、ピッチの戦いとは離れたところでも、その(運ともいうべき)実力が問われてくる。

つくづく、今回の対戦が(ブルーノ・メツ初陣の)カタールで無く、ウズベキスタンでよかった。もちろん、ウズベキスタンなら日本が勝てるとか、楽勝というのではなく、現在、(消化試合の兼ね合いで)グループ首位に立つカタールを日本が相手にしたら、おそらく、(相性もあるが)勝てないだろう。むしろ、彼らを調子に乗せてしまい、グループを混戦へと導く危険性がある。そういう意味では、カタールと試合するのがオーストラリア(ホーム)でよかったといえる。もちろん、オーストラリアがカタールに勝てる保証は無いが、その結果がひとつの目安になる。それに、オーストラリアがカタールに勝てば、次のカタール対日本のアウェイにおいて、日本は(今夜ウズベキに勝てば)引き分けでもOKになる。つまり、グループが2強で展開することが日本にとってベターである。


さて、今夜の日本代表 対 ウズベキスタン代表だが、ひょっとすると、試合の鍵は、代表そのものではなくACLかもしれない。ACL準決勝の試合は、代表戦の前週、後週に行われる。ウズベキスタン代表に選手を多く抱えるクルブチの選手は、ACLの関係上、ウズベキスタン→オーストラリア→ウズベキスタン→韓国→日本→ウズベキスタンという移動を、この10日間にこなしている。日本勢クラブ同士で国際移動の無かった日本(浦和・大阪)には、実感の出来ないアドバンテージかもしれない。また、両者に実力的に大きな差は無いのだが、不利は日本よりウズベキスタンに多い。特に予選中に代表監督が交代したのはプラスにはならないだろう。ウズベキスタンは、2連敗でアウェイで負けられないという追い詰められた状況のため、本来の実力を出すには、かなり難しい心理状態にある。彼らが、これをうまく危機感として利用できるかである。逆に彼らが自滅すれば、日本の快勝もありえるであろう。


逆に、日本が負けてしまうと、緒戦のバーレーン戦アウェイ勝利は意味の無いものになる。そして、次のカタール戦にプレッシャーがかかる。ウズベキスタンには中盤でのパス回しをさせず、シャツキフの突破力を許さなければ、日本が負けるのは考えにくいが、仮に「やっちゃった~」的なことをやってしまっても、いまさら、驚くことも無い。

勝敗のポイントは、わかりきっているが、先制点がいつ、どの時間帯に、どちらに入るかであろう。日本代表の先制点が遅ければ遅いほど、日本に余裕は無くなり、ウズベキスタンは「もしや」という気持ちにはなる。よって、日本にとって、0-0で試合が進むのはいただけない。早めに先制して、後のなくなったウズベキスタンが前へ出来たところを、まともに受けて(お付き合いして)やられないようにしつつ、追加点を奪えるかになる。逆に日本が先に失点したら、引き分けまでが御の字である。もし、逆転勝ちでもしたら、それなりに評価していいとは思う。


日本の杞憂をしいて上げると、実力差以外のところでいくつかある。日本代表の面子を見て、これが監督のギリギリまで考え抜いた最後の人選というには、まだまだ余裕がありすぎて、テストのような印象は拭えない。当たればいいが、そういうことではなく。これは、3月の三次予選でバーレーンに敗退した時の空気感もそうだったが、どこか危機感に欠けるというか、弛緩していて、ただ、なんとなく試合をしているような部分は否めない。そんな中、前売りチケットがそこそこ売れたのは、好材料だろう。(空回りしたような)気合が入ってるのは、あいかわらず六本木にあるテレビ局くらいだが、趨勢の気運と空気が大きいのはいうまでもない。

出来れば、ラッキーボーイ的な存在が出るといいが、いまのところ、内田がそういった雰囲気だ。(代表はクラブよりやりずらいだろうが)岡崎あたりにも期待したい。


*尚、仔細な分析、確たる予想ではございません。