EURO2008 オランダ代表メンバー発表

  

国際大会に出れば、それなりの前評価で優勝候補、強豪といわれるオランダだが、今のところ、名前だけが一人歩きしているような印象がないでもない。(もちろん、強いですが)

攻撃陣はスナイデルファン・ペルシー、ロッベンと駒はいるが、特にロッベンの復調は大きい。ほぼ、彼からの崩しがオランダの攻撃の形になるのではないだろうか。ラファエル・ファン・デル・ファールトに、もうすこし決定力があれば、驚異は増すのだが。彼も、前回大会では主役に躍り出ても良い素材だったが、今大会はいかがだろうか。彼にとっても、ビッグクラブへのアピールも、ラストチャンスといえよう。

ベンチウォーマーは充実している。ディルク・カイトは運動量と読み、ヤン・フェネホール・オフ・ヘッセリンクはパワープレー要員と、それぞれ特徴があるので、ここぞという向いた局面で投入されそうだ。五輪世代からピックされたのは、やはり、イブラヒム・アフェライライアン・バベル。当然、彼らは北京五輪には出ないが、特にライアン・バベルは、攻撃において爆発する可能性はある。

懸念を上げると、セードルフの辞退は痛いといえよう。ファン・ブロンクフォルスト、デゼーウがいるから、致命傷にはならないが、すこし中盤での安定感、ゲームの掌握において不安は拭えない。とにかく、このオランダは、デゼーウにかかる負担、責任は大きい。ダービッツ2世の彼がいなければ、おそらく、並みのチームに格落ちするのではないだろうか。

DF陣は、やや地蔵になりやすく、不安はある。特にCKのセットプレーには、マークに付ききれていなかったり、相手を放置したり、かなりヒヤヒヤするのでは。ファン・デル・サールが吼えまくってる姿が今から目に浮かぶ。右サイドのオーイヤーはイングランドでプレーしているため、対人は強いが、裏を取られやすい。メルキオットもそう。ハイティンガもまだまだプレーが若すぎる。全体的に、失点するときは、あっけないくらい簡単に失点する。そもそも攻撃が最大の防御のようなチームだから、オランダらしいといえば、そうなのだが。


さて、そんなオランダは、グループリーグ期間はすべてベルンで試合を行い、移動がないため、他国より有利だが、緒戦にイタリア、二戦目にフランスと当たる対戦順は、あまり良くない。試合のスコアによって、闘い方を変えなくてはならない。たとえば、イタリア、フランス相手にゲーム終盤まで引き分けだったら、このまま引き分けでokなのか、勝ちに行くかの選択に迷いが出たり、チームの意思統一が乱れると、失点、あえなく敗退する可能性もある。勝っていれば、守りに入るのか、攻撃に出るのか、はたまた、負けていれば、カウンターからの失点、得失点差を度外して攻撃に出るのか。ただでさえ、集中力が90分持たないオランダにとって、イタリア、フランス戦は、チャンピオンズリーグ1stレグ並みの精神疲労を覚悟しておかなければならない。要するに、オランダは、グループ最終のルーマニア戦までに、ある程度の目処を立てなければならない。


【 オランダ代表 Squad List 】 

★はスタメン予想

■GK
エドウィン・ファン・デル・サール (マンチェスター・ユナイテッド) ★
マールテン・ステケレンブルフ (アヤックス
ヘンク・ティマー (フェイエノールト

■DF
ヨニー・ハイティンガ (アヤックス)★
マリオ・メルキオット (ウィガン)★
アンドレ・オーイヤー (ブラックバーン)★
ヨリス・マタイセン (ハンブルガーSV) ★
ティム・デ・クレル (フェイエノールト
ルフレッド・ボウマ (アストン・ビラ


■MF
ラファエル・ファン・デル・ファールト (ハンブルガーSV) ★
デ・ゼーウ (AZ) ★
ウェズレイスナイデル (レアル・マドリード) ★
ファン・ブロンクホルスト (フェイエノールト) ★
イブラヒム・アフェライ (PSV)
オルランド・エンヘラール (トゥウェンテ)
ニヘル・デ・ヨンク (ハンブルガーSV)


■FW
ロビン・ファン・ペルシー (アーセナル) (★)
ルート・ファン・ニステルローイ (レアル・マドリード)★
アルヤン・ロッベン (レアル・マドリード)★
ライアン・バベル (リバプール
ディルク・カイト (リバプール
ヤン・フェネホール・オフ・ヘッセリンク (セルティック
クラース・ヤン・フンテラール (アヤックス


わたしの予想では、オランダは、グループリーグをあっけなく敗退(3連敗)するか、3連勝で余裕でグループリーグ突破するかの両極端の二つを予想しておく。