<展望> バーレーン代表 対 日本代表

 
もし、昨日行われたMLBボストンレッドソックス対アスレチックスが公式戦でなく、アジアツアーの親善試合だったら、スタジアムは、あのような満員にもならないし、テレビ放映もPM22:30までひっぱらなかったであろう。(松坂が先発するとはいえ))やはり、客寄せパンダの親善試合ではなく、(本場の)「公式戦」には訴求力はある。そういう意味では、今夜、行われる2010年ワールドカップ南アフリカ大会・アジア三次予選のバーレーン代表 対 日本代表はれっきとした公式戦であり、訴求力は普通に持っているといえる。すくなくとも、翌日に行われる親善試合のU-23日本代表対アンゴラ代表より、上であるのは明白である。親善試合、公式戦とは、つまるところ、「本気度」の格差でもある。


さて、今夜のバーレーン代表 対 日本代表は勝つか負けるかハッキリした試合になるだろう。まだ、三次予選で、このステージは上位二カ国まで最終予選に進出できるため、さほど目くじら立てるほどでもないが、残りの予選は6月に集中開催になるため、6月は流れひとつで日本が4戦引き分け・無勝になる可能性はなくもない。よって、ここで勝つと、(残り4試合で勝ち点を4以上取ればいいので)グループリーグにおけるイニシアチブを握れる。もちろん、バーレーン代表も同じ思惑であろう。監督のミラン・マチャラも、(すでに日本代表にはお馴染みの相手だが、1996年以来、ずっと日本に勝てていないため)ここらへんで金星を上げても不思議はない。

試合展開は、日本、バーレーン両者、共に立ち上がりは慎重でも、引かずに勝ちに来れば、攻守の切り替えの早い展開になるだろう。おそらく、日本は繋ごうとすると、バーレーンが寄せてきて、ファウルのオンパレード。一転、バーレーンが攻めれば(繋ぐような縦パスから)スピード任せに攻めてくるものの、雑に終始する。といった展開か。

日本は前半15分までに失点しないことである。基本的に、今の日本には、(大久保か山瀬の爆発がない限り)逆転する底力はない。ここのところ(というか昔から)、日本代表は、立ち上がりに先制の平手打ちを食らって、それで目覚めるような試合が続いているが、受けずに、きっちりゲームはコントロールしたい。バーレーンは、個の勝負やスピードで翻弄するか、阿部のミスマッチを衝くしかない。おそらく、こぼれ球へのアプローチは彼らの方が早いだろう。ただし、まぐれのスーパーな一発でもない限り、バーレーンはなかなか日本のゴールをこじ開けられないのではないだろうか。

日本の注目は、やはり、山瀬と大久保。今の代表で、ゴールへの意識と行動があるのはこの二人のみ。また、内田、安田がこの場を経験出来るのは、(試合に出られなくても)将来の日本にはとても大きい。もちろん、他国では(若手起用は)ごく普通にしていることであるが、ジーコ監督時代には(永田を除き)二十歳、十代の選出など、考えられなかったことである。

日本は遠藤、中村憲のセットプレーか、山瀬、大久保が決めるしかない。ピッチ状況の劣悪さ、主審のジャッジも微妙に影響するかもしれないが、予想スコアは日本が勝つなら1-0。互角なら1-1。日本が負けるとしたら、1-2の逆転負けか0-2のワンサイドというところか。



尚、余談ながら、日本代表にとって嫌なニュースがある。
アジア・サッカー連盟(AFC)により、2010年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の組み合わせ抽選が6月27日にクアラルンプールで実施されるが、日本が大きくシード落ちする可能性がある。シード順は2006年W杯の成績に基づき、第1シードがオーストラリアで、第2シードは韓国、第3シードがイランとなり、日本、サウジアラビアはともに1分け2敗、2得点7失点と優劣がつかないため、抽選直前にくじ引きで第4、5シードを決めるという。(いずれかの国が3次予選で敗退した場合は下から繰り上がる)。事実上、組み分けのAランクシードはオーストラリア、韓国となる。日本は、サウジアラビアとの抽選に漏れると、Cランクシードとなる。つまり、韓国、イラン、日本というグループも現実としてあり、日本がキーマンの立場に追いやられてしまうことになる。

最終予選は、秋の9月から来年5月、6月までホームアンドアウェー方式で争われる10チームが2組に分かれて行われ、各組2位までがW杯出場権を獲得する。各組3位同士の勝者がオセアニアとのプレーオフに進むが、事実上、プレーオフは消化試合に。