好カードは少ないが、好ゲームが集中するであろうEURO2008

 
EURO2008も。開幕2ヶ月前だというのに開幕する実感が一向に湧かないが、そろそろ、EURO2008ネタも載せて行こうかと思います。
                                     *EURO2008の組合せはブログトップにあります。

すでにイングランドは予選敗退でEURO本大会には出場しない。すでに、これだけで大会熱の半分は盛り下がっているが、死の組となったフランス、イタリア、オランダは魅力である。だが、この三カ国のいずれか1、2カ国は必ずグループリーグ敗退になると考えると、決勝トーナメントでの好カードは限られてしまうだろう。しいて、好カードになるかもしれないのはウィーンの準々決勝、準決勝くらいか。準決勝はポルトガルチェコというようなグループリーグの再戦になる可能性も(決勝ではイタリア対フランスなど)。ただ、好カードは少ないが、グループリーグでは好ゲームが集中するであろう。チェコ対トルコ、スペイン対スウェーデン、ドイツ対クロアチアなど、特にEUROは第三ヒートはかならず劇的な試合展開が生まれる。

おそらく、優勝候補はドイツだが、わたしは以前の予想から変更なくポルトガルが優勝候補としておく。
各国個別に有力どころを短評してみる。

【ドイツ】◎
ドイツは攻撃力はあるが、守備はさほど良くない。失点する時は、あっけなく失点する。正直、ドイツは面白いのか、つまらないのか、よくわからないフットボールだが、おそらく、チームの実力は2008年にピークを迎えるのではないか。とくにドイツがすごいからというより、他に突き抜けた国がないため、押し出されるように躍り出た優勝候補といえよう。

ポルトガル】○
わたしが推すポルトガルは、2004年がピークかと思いきや、しぶとく下げ渋っており、デコ、クリロナを中心とする選手層もピークに近い力を維持している。組み合わせも悪くなく、長期政権のスコラーリ監督も大会屈指の監督といえよう。ただ、彼らはなにかのきっかけで集中力が切れると、グループリーグ敗退もある。強いのだが、諸刃の剣である。

【フランス】△
死の組に入ったフランスは意外と悪くない。ジダン引退後、ナスリが台頭するかも鍵だが、マケレレリベリーフラミニと中盤は(パンチは弱いが)悪くはない。サーニャ、チュラム、ギャラスの守りに、トレゼゲ、アンリ、アネルカ、サハ、ベンゼママルーダリベリー、ゴブ、シセとFWは人材に事欠かない。気持ちがバラバラにならず、うまく機能さえすれば…。やはい、ここは監督次第である。

【オランダ】
オランダは、毎度のように上へ行っても、ベスト4止まりではないか。2000年の母国開催で(準決勝でプレゼントのようなPKを2本外して)結果、優勝できなかったのが、このあと数十年は怨念のように付きまとうのではないか。流れやリズムとは、そういうものである。

【イタリア】
イタリアはW杯であれなんであれ、グループリーグを100%真面目に戦わないため、前回大会に続き、再びグループリーグ敗退もあるが、もし、グループリーグを勝ち抜けば、そこでようやくギアを入れて、とんとん拍子で決勝まで来るかもしれない。その時の決勝の相手はフランスではないだろうか。だが、彼らが展開している「負けないフットボール」はイタリア人と玄人しか喜ばない。

【スペイン】
スペインは、いつもながら前評判は悪くないが、おそらく、お決まりの「駄目でした~」に…。だが、組み合わせは悪くなく、若いトーレス、ファブレガス、セナ、ビジャなどが仕事して、ノリノリになれば、準決勝はあるかもしれない。脱バレンシアで、イニエスタ、シャビのバルサ選手が中盤底に座ると面白いかもしれない。


開催国のスイスのいるA組(ポルトガル、スイス、トルコ、チェコ)は意外と混戦で、スイスがどこまでやれるかも、現地の大会熱を左右するに違いない。W杯には縁がなく、ユーロに強いチェコ、KYな前回優勝のギリシャにも注目だ。

前回大会は、開幕戦で開催国のポルトガルがいきなり伏兵のギリシャに敗れ、一気に大会熱に急ブレーキがかかった。あの開幕直後の間の悪さは今も忘れない。まるで「ポルトガル代表の話題には触れるな!」的な空気がリスボンの街中に漂っていたが、今回は、オーストリアについてはそうなるだろう。グループリーグ3戦全敗(もしくは1分2敗)で、おそらく、ウィーンの街中では、EURO2008を他人事のように黙殺するのではないか。(冗談だが)むしろ、一文字違いのオーストラリアに出てもらったほうがいいのでは。