FIFAワールドカップの大陸予選ブロックについて…

 
来年からFIFAワールドカップ南アフリカ大会の予選が本格化する。そのワールドカップの予選ブロックの大陸分けだが、現状は、ヨーロッパ、アフリカ、南米、北中米、アジア、オセアニアと6つに分かれている。現状、ヨーロッパ、アフリカ、南米、北中米はひとつの大陸として均一性があるものの、アジア、オセアニアについてはいささか無理があるように思えてならない。

たしかにアジア、オセアニアの方が地理的にはわかりやすいが、内容や特性を考えると、アジアでオセアニアを吸収させて、アジアを東と西に分けて、二つにした方がいいのではないだろうか。オセアニアを含めた東アジア、中東を西アジアにするのである。

すくなくとも、同じアジアなのに、(日本と中東で)これほど時差がある予選大陸も珍しいし、宗教、文化、風習がまったく違うエリアを同一にしてしまうことで、まったく別の違う大陸に足を踏み入れている感はある。政治的にも経済的にも、あきらかに東アジアと中東は別の地域である。

また、オセアニアにしても、現在、オーストラリアの抜けたオセアニアをひとつの大陸として見た場合、他大陸とは、レベル差がかなり違いすぎる。オセアニアの実力はCWCを見ても、明らかであろう。とてもではないが、ラグビーのようにはいかない。今のままでは、オセアニアはあってないようなもので、オセアニアプレーオフする大陸と、そうでない大陸との間に有利不利の大きな乖離が出来る。(今予選も、アジアよりレベルの高い北中米と南米がプレーオフをするのも、アジアのスポンサーを減らしたくないFIFAの思惑でしかない)

東アジアと西アジアに分けるとこうなる。

■東アジア= 日韓中、東南アジア、オセアニア
西アジア= 中東諸国。

メリットは移動・テレビ中継の時差が軽減する。中堅国に今以上のチャンスが増える。その他。
デメリットは豪の季節が逆。事実上の枠減少で予選が厳しくなる。その他。
また、中立的なメリットとして、東アジア、西アジアのレベル差が浮き彫りになる。

日本視点で見れば、時差はほぼなくなる上、中東のアウェイを体験しなくて済む。相手も韓国と豪に絞ればよい。

さて、肝心の枠だが、原稿でアジアは(プレーオフを含めて)5枠あるので、西と東で2.5枠とするのが妥当であろう。0.5枠の部分で西と東でプレーオフとする。

■東アジア= 日本、韓国、オーストラリア、中国、北朝鮮、タイ
西アジア= イラン、サウジアラビアイラクバーレーンクウェートUAEカタール

こうなると、中東の方が激戦になのかもしれない。アジアチャンピオンズリーグもこのように東と西で二つに別れれば、CWCにおいても、オセアニア問題はなくなる。ただし、アジアカップは一カ国における4年に一度の開催なので、西と東で一つに括ってもいいだろう。


かなりマイノリティな案であるのは承知である。もちろん、日本がW杯に出場することを最優先に考えれば、これは最悪の案であり、むしろアジアは6枠、7枠獲って保険をかけたいところである。だが、いいかげん、日本のW杯出場は当たり前というぬるい空気も飽きてきた。大陸予選がぬるければ、クオリティも下がるし、W杯本大会でもアジア勢は惨敗を喫する。そもそも本大会よりも予選の方が白熱して面白いはず。

とにかく、現実的に見れば、サッカーにおいて、オセアニアをひとつの大陸としてみるのは無理があり、対応策は必要になるであろう。