サッカー日本代表の次期監督だが・・・岡田武史?

過去記事にも書いたが、オシムの容態、今後を考えれば、日本代表監督交代は仕方のないことであろう。予選まで時間も無く、オシムも無理せずに残された余後を大事にした方が良い。

ここで、次期代表監督探しとなるが、ひとつ懸念がある。われわれがオシムとその後任監督を無意識に比べてしまうことである。それは仕方の無いことであるが、危ないのはオシムと同等の要求をしてしまうことではないか。おそらく、オシムより優れた監督を急に見つけ出すのは難しい。それだけオシムが優れているというよりも、日本国内に(外国人も含めて)平均的な監督が、おいそれといるわけではないのが現状である。また、<日本を知っている事>という日本サッカー協会の条件が、自らの選択肢を狭めていることにすら気づいていないのだから。(日本を知っているというメリットが働くのは本当に時間がない時のみ)

平静において、日本はよほどのことがない限り、代表監督は挿げ代えない。あのジーコですら変わらなかったのだから、今回は「緊急」にかかる事例であり、まさに異例の事である。今回の交代で、まず、オシムのイメージを払拭しなければ、後任監督の評価というのはなかなか正確にはなされにくいのかもしれない。おそらく、ダメだ。という評価に傾きやすいのではないか。オシムアジアカップでは3位になれないベスト4で、次回のシード権を逃しているのだから、前任者達に適う十分な結果を出したわけではない。(もちろん、準備段階での土台作りというのはわかる)。当然、目指すフットボールも違うのだから、両者を比較して批評するのは、そもそもナンセンスである。

日本での代表監督の指揮環境は全権が任せれるため、比較的恵まれている方かもしれない。サウジアラビアは監督が使用人でしかなく、なにかあるとすぐにクビを切られる。韓国も前回ドイツW杯まで2回も監督を代えている。実際、監督がころころ変わるのはあまり良くない。以前のアメリカ代表のブルース監督、ポルトガル代表のスコラーリのような長期政権は、代表強化という意味では効率はいいのかもしれない。もし、日本代表監督を誰かにやらせるのならば、長期的な視点で、2010年のワールドカップ終了時までの契約ではなく、5年契約くらいにして、辞任という責任を担わせる方がいいのかもしれない。われわれ日本人は飽きっぽいが、結果さえついてくれば、容認する。

また、代表監督に金とステイタスがあるのは、イングランドと日本くらいか。優勝しても批判されるブラジルほどではないが、ある種、日本代表監督は選手やチームよりあれこれと注目され、その受けるプレッシャーは総理大臣以上であろう。引き受けるにも、反町や山本のように、ただ「やりたい」では務まらない。成功しない限りメリットは小さく、それでいて、あらゆるリスクが付きまとう。日本サッカー協会の敷居には依然として官僚的な「権威」構造があり、引き受ける際、いくつか条件を出した方がいいかもしれない。なにより、決断には大きな強い意思・信念が必要になるであろう。


さて、次期日本代表監督として、岡田武史が候補としてピックアップされているが、ほぼこれで決まるかもしれない。表向き、K淵の息や意向がかからない人選であるのは歓迎だが、日本サッカー協会から見た岡田という人選は消去法から残った一人に過ぎない。それでいて、後任のオシムにも(変な外国人を連れてこない)配慮をしている部分もあろう。クビにしたければ、いつでもクビを切れる。マスメディアも日本人監督ならば、叩きやすい。性質は違うが、どこか自民党の安部総理退任後の福田担ぎだしと似ているかもしれない。

外国人監督に比べ、日本人監督の場合、メリットは通訳が不要なこと。選手とコミュニケーションが十分にできること。短所は世界標準で見ると国際経験不足であり、日本を客観的に相対的に見られず、過剰に保守的であること。おそらく、アジア予選は日本人監督でも問題は無いであろう。ただし、ワールドカップ本大会では世界を相手にするため、日本人監督では荷が重過ぎる。場数が違うし、高いレベルでの国際経験が足り無すぎる。忘れてならないが、日本はコンフェデレーションズカップの出場を逃しているのである。可能ならば、国際経験を積ませる上でも、五輪監督もやらせたほうがいいだろう。

おそらく、代表の面子も変わるであろう。岡田監督で本決まりになれば、もっと仔細に書く予定だが、今後、(オシムが口を出さない限り)羽生、山岸の代表入りは無いだろう。矢野、橋本も微妙。たしか、マリノスの試合で松田が前線へ上がって行った時、岡田が懸念したケースを何度か見てきたが、闘莉王のリスクある上がりは歓迎しないだろう。当然、ファウルの多い&キレやすい選手も微妙な位置になる。おそらく、岡田は守備ありきでミスが少なく、リスクの少ない選手を人選をするのではないか。

海外組での起用は高原、稲本くらいか。中沢はもちろん、今野や山瀬は主軸として使われるであろう。あと、岩政とかも。(怪我なく完調ならば)小野、久保の代表復活もあるかもしれないが、阿部、鈴木はないかもしれない。おそらく、今よりは浦和色は薄れるのではないか。98の禊でカズを選ぶことは万が一にも無いが、個人的には呼んでやってもいいのでは。と思わないでもない。

とりあえず、岡田が代表監督になれば、オシムの目指していたフットボールは継承されないのは間違いない。オシムフットボールが日本の最後の砦だとは思わないが、根底に流れる日本人にしか出来ない、日本人に適した戦術を採ってもらいたい。根本的には素早いスピードや運動量を活かし、ボールをコンパクトに動かして短いパスを繋ぎ、平面で勝負するフットボールが日本人には向いている。そういった根底に流れているものが共通していれば、なにもオシムフットボールにこだわる必要もないし、オシムフットボールを否定するわけでもない。あくまでオシムフットボールは手段の一つに過ぎない。あれがすべてではない。

さて、次期監督は・・・いかに。また、オーダーするやり方なのか、それとも・・・。