サポーターと日本サッカー協会の距離は…

今年は川崎のターンノーバー、去年からのK淵発言など、Jリーグや日本サッカー協会とサポーターの認識が著しく食い違っていた事例がたくさん見受けられた。かって98年W杯チケット不足の時、各旅行会社がサポーターを旅行者と誤認してしまい、問題を引き起こしたこともあるが、日本サッカー協会はサポーターを観光客と認識しているのか、今回も、その旅行会社と似たような認識で対応しているからこうなってしまう。

*以下、辛辣に書いてますのであしからず。

サウジ戦開始時間 最悪18日以降に決定
 21日の北京五輪アジア最終予選終戦、日本―サウジアラビア戦(国立競技場)の開始時間の決定は最悪の場合、18日以降にずれ込むことになった。FIFAは日本協会に「日本―サウジアラビア戦は19時20分、カタールベトナム戦は19時で準備するように」と通達してきた。だが、17日の第5戦の結果次第では「18日か19日に最終決定する」とのただし書きがあった。19日の決定なら試合までは中1日。日本協会関係者は「開始が遅くなった場合にはサポーターのみなさんに失礼のないよう対応したい」と困惑気味に話していた。

なにより、早々とサウジアラビア戦のチケットを前売りしてしまった事が愚かである。さして売れもしない試合を、歴代の代表戦のように、おまけにカテゴリーまで分けまでして販売してしまった.。だが、日本サッカー協会がキックオフ時間に困惑する背景は、サポーターのためではなく、スポンサーの絡むテレビ中継をどうしてもゴールデンタイムにやりたいという一点にフォーカスされている。

補足すると、同時刻キックオフはサッカー界では常識である。同時刻キックオフにしないと、かならずといっていいほど後に行う試合のほうが有利になる。スタジアムの電気をわざと暗くしたり、主審を買収したり、ロスタイム7分とか、八百長じみた試合展開も容易に想像できる。ようするに中東というオイルマネーのある地域柄、裏工作など造作もなく可能。だから、五輪に同時刻キックオフのレギュレーションがないこと自体、そもそもおかしい。(五輪本大会でも最大6試合あるにもかかわらず選手は18名までしか登録できないレギュレーションもおかしい)。

不人気の試合に前売りを買ってまで観戦に行くコアなサポーターなら、こういった複雑な慣習も承知のはず。さほど気にしなくてもいいのでは。まずは、北京五輪に確実に行けることを最優先すべきである。もちろん、日本サッカー協会には、かくかくしかじかでキックオフ時刻はこうなりましたという仔細な説明は必要だが、観戦するサポーターもそのくらいは考慮するし、なにより、観戦者の一番の望みは試合を楽しむことではなく、北京五輪への出場権を得ることである。日本サッカー協会は、その辺を大きく履き違えているようだ。それにこの試合でスタジアムは満員にはならない。

厳しくいえば、キックオフがpm22:00になって、サポーターから苦情が出るようなら、日本サッカーも終わっているということ。欧州で21:00以降のキックオフなど珍しくはないし、まず、勝って北京五輪に出場することが第一条件。そのためなら、いくらでも妥協するというのが本当のサポーターの心情では。そうでないのならば、まだ、そのレベルにないということであろう。

だが、最終節はカタールと同時刻キックオフにしなくても大丈夫であろう。

5節で日本がベトナムに勝てなければ、その話自体、意味はなくなるし、サウジアラビアが5節ホームでカタールに負けるのは考えにくく、最終節は日本とサウジアラビアとの直接対決になるのでは。だから、さほど心配は要らないかもしれない。おそらく、サウジアラビア戦は日本サッカー協会の望む19:20キックオフになるであろう。先にも述べたが、日本サッカー協会はスポンサーの顔色やゴールデンタイムでの放送が一番の心配であり、サポーターのことなど本気で考えてなどはいない。