10年南アW杯 FIFAワールドカップ出場のアジア枠が・・・

国際サッカー連盟(FIFA)は5日、チューリヒで理事会を開き、32カ国が出場する2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の大陸別出場枠を、開催国枠を除いて今年のドイツ大会と同じとすることを決めた。オーストラリアが加わったアジア連盟(AFC)の出場枠は4・5(0・5はプレーオフ)となる。

ドイツ大会予選でアジア5位は北中米カリブ海4位とプレーオフを行ったが、南ア大会はAFCの要望通り、プレーオフの相手は0・5枠のオセアニアとなった。ただしオセアニア連盟から、プレーオフはせずに同予選1位をアジア最終予選に組み込む案も出され、来年3月の次回FIFA理事会までに両連盟で検討することになった。

このほかの大陸別出場枠は欧州が13、アフリカが開催国南アを含めて6、南米が4・5、北中米カリブ海が3・5。南米と北中米カリブ海プレーオフを行う。各大陸予選の組み合わせ抽選は来年11月23日にW杯会場のダーバンで行う。

アジア 4.5枠 → 4.5枠 (オセアニアを取り込んで現状維持だが、事実上は5枠に増加)
南米 4.5枠 → 4.5枠 (現状維持)
北中米 3.5枠 → 3.5枠 (現状維持)
欧州 14枠 → 13枠 (1枠減)
アフリカ 5枠 → 6枠 (開催国を含め1枠増加)


チケット戦線にもいくらか影響が出るワールドカップ大陸枠だが、欧州が1枠削られて、アフリカが1枠増えた。そして、オセアニアがアジアに取り込まれた。実数でいえば前回とほぼ変化は無い。

減らされると思っていたが、アジア枠は現状維持。そればかりかオセアニアを取り込んで5枠(オセアニアを入れて事実上5枠)へ増加したので望外の結果であろう。日本代表がワールドカップに出場するためだけを考えれば、枠は多ければ多いほど良い。大雑把に、日本、韓国、中国、サウジアラビア、イラン、オーストラリアのアジア6強の内、1カ国だけが落ちる計算になる。他大陸との比較や確率でいえば、かなりの高確率になる。

だが、日本代表の事を外して、ワールドカップ品質を考えれば、アジアの枠数はあまり首肯できない。実力ぞろいの南米が4.5枠しかない一方で、南米に太刀打ちできないアジアが同数となると、ドイツ大会の様にトリニダードトバゴが出場して、ウルグアイデンマークが出場できなかったように、本来出場するレベルに無いアジアの国がワールドカップに出場してしまうこともある。仮に日本が運なく敗退して、オマーンやヨルダンが出場したら、それはそれで別の悔しさを覚えるだろう。アジアのレベルの低さを世界に見せ付けてしまうリスクもある。


正直、世界標準で考えたならば、アジア枠はオセアニアを入れて3.5枠というのが妥当であろう。ドーハの悲劇の時代、アジアはたった2枠だった。日本の出場を願う者としては寿命が縮む思いだが、戦いは温室ではなく激戦でもまれた方がいい。その方が本大会の戦いにもつながるし、無謀・無策のジーコ監督ですら5勝して突破している。すこし厳しい見方をすれば、3.5枠で行けないなら、行けなくてもいい。出場しても恥をかくだけだ。

他の大陸では、予想通り、アフリカは開催国である南アフリカを加えて5枠から6枠に増えたが、欧州が1枠削られたのは痛い。これで、欧州から出場を逃してしまう強豪がいくつか出てしまうであろう。
イングランド、オランダが出場を逃すということはやめてほしい。

個人的には、開催国1枠。アジア3.5枠(オセアニア込)。アフリカ5枠。北中米2.5枠。欧州14.5枠。南米5.5枠がいい。(*プレーオフは厳しく、アジアは南米と、北中米は欧州とプレーオフ。)

こうすれば、大会の質を維持する強豪国の敗退はなく、ウルグアイアイルランド、コロンビア対デンマークなんていう渋いカードも目白押しになる。また、中国が出場するとなると、イングランド人や日本人並みの購買力のある中国人参戦でワールドカップのチケット戦線は激化してしまう。