U21-日本対中国戦の短評

2-0で日本が勝つには勝ったが、中国は万全の体調ではない。日本もそうだ。お互いに万全ではない試合だった。そんな試合に21190人も来たのだから、この世代のポテンシャルは図りしれないだろう。

さて試合だが、前半10分間の立ち上がりは集中力を欠いていたのか、日本はまったく自分たちでボールポゼションも出来ずにまったく駄目だった。落ち着いてプレーできず、ボールがきちんと収まらず、まったくゲームをコントロールできていなかった。ただ、最初の日本のチャンスがそのまま梶山のゴールになったのは運が良かった。あれで日本が落ち着き、逆に中国は出鼻をくじかれた。

ただ、試合全体を見たら、日本のパスミスがやたら目立つ。連携面の問題とはいえ、そのパスミスを取り返そうとして無駄な体力を消耗している。よって、日本がチャンスを作るときは連携からではなく、個の能力や運といった曖昧な部分が所々に見受けられた。また、皮肉にもフル代表のオシムのサッカーはまったくやってない。

とにかく、この世代はまだ即席チームであり、きちんと合わせた練習をして、選手の疲労も取れた万全の体調であれば、こんなパフォーマンスではないし、もっと出来るはずだ。アジア大会では最重要課題の経験を積んできてほしい。

試合は後半30分まで日本の交代は無かった。ベンチには谷口、枝村、水野、家長といたが、相手の中国は選手レベルをあげてきたせいか、反町監督は勝つことを優先させていたようだ。まだ、韓国とのホーム&アウェイと2試合ある。

中国はフィットネスが強く、まずまずなのだが、残念ながらアイディアを持った選手がいない。先進国に開発面でキャッチアップできない経済体質と似ているのか、中国にはファンタジスタが生まれる土壌はないようだ。

最後に平山だが、本調子にはまだまだ程遠い。ゴールはしたものの、動きが鈍く、年内の復調は難しく、だましだましやっていくしかないだろう。ゴール直後、国立のオーロラビジョンには平山の腕か肩に当たったシーンが何度も流され、観客から笑いを誘っていたが、平山の投げキッスが映し出された時にはスタジアム全体がドン引きになっていた。もうすこし顔とパフォーマンスは考えてみたほうがいいかもしれない。

(了)