川渕キャプテンの失言は続いて・・・

7月、オシム監督就任の失言で終わるかと思いきや、なかなか舌は滑らかのようだ。

「(巻は)下手なんじゃないか。ボールが止まらないなんて。1タッチで止めるのは基本。オシムさんに恩返ししなきゃいけないのに、選ばれるのが当たり前だと勘違いしているかのようだ」
「自分が出ることで視聴率が上がるのかどうか、選手個々がどう感じるかだ」

川淵会長はプロ意識を促す機会としているようだが、お門違いもいいところだ。
過密日程の中、わざわざインドくんだりまで行き、しかも消化試合である。そんな背景などお構い無しに、それも大量得点を取って勝たないと気がすまないようなコメントは会長としては稚拙である。

これでは巷間のいちファンのコメントでしかなく、日本代表を「事業」としか見ていない証左でもあろう。選手本来の本職はクラブでのプレーにある。欧州では代表のためにやっている選手などあまりいない。選ばれた選手も、国のためにプレーする誇りは不可欠だが、代表の人気のためにプレーする必要はない。客寄せのためのスターになる必要もない。そんなものは選手の義務でも責任でもない。日本サッカー協会の都合でしかない。

強化と人気はまったく別物であり、いくら人気があっても本番で勝てないようではサポータは納得しないのだが、日本サッカー協会は本番よりも、金を生む人気のほうが大事なようだ。

一介のサッカー協会会長が発言するなら、せめて、もっと対極的に、「試合で戦うことより代表になることが目的にすり替わってしまっている」といった穿ったコメントのほうがいい。個々人の技能・能力を指摘するのはクラブのコーチや監督の仕事である。