日本代表が短い期間にレベルアップするためには…

まず、サッカー日本代表の課題を思いつくままに、ざっと列挙してみる。

・FWに決定力がない
・一対一(ワンオンワン)に弱い
・型通りにプレーしようとする
・ぺナルティエリア内でちまちまパスを交換する。
・相手のプレイに合わせてしまう
・選手は文句があっても言わない。フラストレーションを溜めてしまう。
・フリーにならないとシュートが打てない。
・意外性がない。
・両サイドの守備にスペシャリストがいない
ミドルシュートが下手。ほぼ枠へ飛ばない。
・プレスをかけられるとボールキープできない
・リスクを背負わない。思い切りがない。
・スリータッチ、ツータッチプレーが多い。ダイレクトタッチが少ない。
・平均的に上背がない
・DF陣にオフサイドをとる意識が少なくなった。

挙げれば、もっとあるような気がする。
しかし、なんであれ、これを短期間に一気に修正するのは不可能である。

初心者や若い者ならいざしらず、本大会までのわずかな時間で代表候補が技術やプレーの質を劇的に上げるのは難しい。しかし、たったひとつだけ方法がある。
それも、諸所の課題を覆い尽くすばかりか、信じられないような力を発揮するやり方である。
それでいて実行しようと思えば、意外と簡単にできる。

―それは、試合に勝ちたいと思うこと。そして、誰よりも強く思うこと。

内面のスピリットならば、いくらでも爆発的にあげられる。それが真のレベルアップ、強さの源でもある。ワールドカップに出られてうれしい人が出場するのならば、ワールドカップでどうしても勝ちたい人が出たほうが何倍ものレベルアップをもたらしてくれる。

しかし、今の日本代表候補に勝利へのハングリー精神を持っている者はどれくらいいるのだろうか。たとえ、負けても生活を失うわけではない。徴兵制が免除になるわけでもない。なにも変わらない。
経済的にも恵まれた日本人が、ハングリー精神を見出すのはとても難しいが、代表に選ばれた23人個々が、(海外移籍のアピールなど)私利私欲でもなんでもかまわないから、そういった勝利への飢えを持ってほしい。

つまるところ、短い期間に個々がレベルアップするためには、選手の意識が試合に勝ちたいかに尽きるだろう。特に、ノックアウト方式の決勝トーナメントの戦いは、とくにそういった精神的な部分が大きくものをいう。

今のところ、選手たち(中田以外)にどうしてもワールドカップで勝ちたいという動機が見えてこないのが、どこかもどかしい。逆にわれわれサポータの方が気持ちが強いのではないだろうか。
会社辞めてまでワールドカップへ行く人もいるくらいなんだし。