W杯チケット相場指数(3月前半)

現在、おおよその見方では、実券が出回る5月の相場では今より大きく値崩れするであろうという線が濃厚であることに変わりはない。旅行会社が滞りなくチケットを用意できて、公式サイト購入者のチケットの未着が起こらず、供給が大きく上回るようならば、おそらく、日本戦でも見切り席ならば、値ごろ感で市場が形成されるかもしれない。

ただ、ここにきて、需要と供給に嫌なニュースもある。先月末に流れたBBCのニュースによると、FIFAが海外ブローカーなどのチケット市場へ調査を入れるというが、仔細は不透明である。

高値で売りさばく海外チケットブローカーも受け付けた購入分すべてをそろえるのは難しいかもしれない。ちなみにスポンサーの余りというより、スポンサー内部での配分次第という曖昧な側面もあるため、スポンサーとの関係がそのまま配分に現れるであろう。また、チケットブローカーもオーバーブッキングをするから補償もあるわけで、購入した方でチケットを手に出来ない者が、大量でないにしろ出てくる可能性がある。

とはいえ、先月にも述べたように実際には需要そのものはそんなに太くはない。急に衝動にかられてドイツへ行きたいと思い立った者を含めても、やはり、ドイツへ行く者は2万~2.5万人に落ち着くのではないか。海外チケットブローカーがチケットを用意できなくても、極端に品薄になるほどチケット市場への影響は大きくはならないであろう。

もちろん、大会中、ドイツ現地でチケット難民はすくなからず出るであろうが、98年フランス大会のような悲惨な状態になる可能性は低いだろう。フランス大会で日本戦チケットが高騰したのは、現地でチケットを用意できなかった旅行代理店の社員が、フランス人などから高値で買ってしまい、それによって相場が暴騰しただけであり、2連敗した後のジャマイカ戦は値崩れを起こした。

最後に、3月下旬開始予定のfifa公認による譲渡サイトの展開も、すくなからず相場に影響を与えるかもしれないため、その詳細が気にかかるところである。