2018年ワールドカップロシア大会「グループリーグを終えて決勝トーナメントへ」

              


    
唯一、◎を打ったアイスランド以外は、開幕前に書いた各組のGL展望に沿った勝ち上がりの範囲内で、さして驚きはなかった。GL敗退のドイツに趨勢は驚いているが、ドイツをグループリーグ敗退として無印にし、スウェーデン本命の◎を打ってるのでここの読者なら承知であろう。波乱の試合も想定内で、面白かったのは、スペイン対ポルトガルと日本対ポーランドのラスト10分くらいだった。EUROに比べ、試合のクオリティが薄まってるのは否めない。

目についた国を挙げると、予想どうりロシアは開催国の勢いを上手く持ち込んだ。スペインはゲームの進め方が雑であるが、得点力は顕在。優勝候補に挙げたフランスの出来にはがっかりしている。チームの出来はバラバラでEURO2016より後退している。アルゼンチンは想定どうりチームになっておらず、EURO2016のポルトガルのように堅守速攻にシフトすればというところ。日本は、コロンビア戦のアクシデントまでは予想できなかったが、日本○、コロンビア△、セネガル△、ポーランド無印で、ほぼ予定どうり。

過去記事でピックアップしていたベルギー、イングランドの出来自体はほかの強豪国と比べてよく、GLで良い肩慣らしが出来たと言えよう。韓国がドイツを破った金星は大金星であるが、2015年ラグビーW杯で南アフリカを敗った日本にくらべれば、世紀の大金星ではない。むしろ、あれを超えるスポーツの試合は、今世紀ないだろう。

GL全体では、スコアレスドローの試合になりずらく、VARの影響が色濃く出てしまい、PK、FK、CKからのセットプレーのスコアも多く、あきらかなFW有利DF不利の攻高守低が鮮明だった。ここで書いてるように前回W杯優勝国のGL敗退がアノマリーになりつつある。

気になったのは、やはり伸び代の部分。日本だけではないが、ドイツ、アルゼンチン、スペインなどの年功序列人選は、行き詰まり感があり、若いイングランド、ベルギーにくらべて未知の可能性を感じない。すくなくともイングランド、ベルギーは、EURO2020、2022年W杯の優勝候補にあがるであろう。


さて先の話をすると、決勝トーナメントは、がらっと風景が変わる。新たな傾向が生まれやすい。神経戦で90分スコアレスの展開になったり、延長が多かったり少なかったり。特に決勝トーナメントは負けたら終わりの性格上、慎重さからゲームが静かだったり、ちょっとしたことでゲームが動き出す。先制点が早ければゲームは動き、スコアレスのままだと後半の終盤まで湿った内容になりがちだ。日本は決勝トーナメント5戦目なので、その傾向、流れにも注視したい。

今回の決勝トーナメントは、総じて、左側の山に強豪が犇めき、右側の山は比較的オープンだ。残った大陸の内訳は、南米が4か国、欧州が10か国、北中米1か国、アジアが1か国。欧州開催ゆえ欧州勢がそれなりに残ったのはセオリーであろうが、ペルーの敗退だけで終わった南米勢は、さすがというところである。チリが出場していたら全て勝ち上がったのではないだろうか。逆に、各大会で、ほぼ1か国は残るアフリカ勢が全滅という事態は珍しいかもしれない。

決勝トーナメントでは、延長で4人目の交代が可能、PK戦になればABBA方式のPK戦になる。初モノの準備と対策をきちんとできるかがカギになる。フェアプレーポイントもそうであるが、新たなルールをどれだけ有効に使うかである。知らない、経験がない、使い方がわかないでは話にならない。

R16の見通し、展望をかいつまんで書いておく。

■フランス対アルゼンチン
チームの出来が試合の主導権を握るが、双方、チームになっておらず、好カードにしては見かけ倒しの期待外れ、グズグズな試合になりそうだ。なにかのきっかけで乱打戦になれば面白いかもしれないが、一発か運の良いゴールで試合が決まるか、グダグダのまま延長PKもありえる。アルゼンチンはEURO2016のポルトガルのように、大会中にドラスティックに闘い方を7人で守って3人で攻める堅守速攻へ変えたら変わり身はあるかもしれない。決勝まで格下相手が不在だからなおさら有効かもしれない。


ポルトガルウルグアイ
しぶい好カードにみえるが、双方、堅守速攻を身上としてるため、かみ合わせの悪い展開が予想される。先制した方が有利になる試合だが、イラン戦のように、しかたなくポルトガルがスタイルを変えて前へ出てくるとウルグアイ有利にゲームは進む。ポルトガルがどこまで我慢して、闘い方を貫けるかになる。すくなくとも、ポルトガルは堅守速攻の方が怖いチームである。


■スペイン対ロシア
ロシアの失点が遅ければ、終盤ロスタイム、延長PKまでもつれるが、スペインの先制が早いと、ワンサイドになる可能性がある。すでにロシアの開催国特権のご祝儀相場はウルグアイ戦で終わっているのかどうかがポイント。見るに堪えない試合となるか、ロシアの善戦に白熱するかというところ。スペインも、失点が多く、ロシアが付け入るすきがないわけではない。完全アウェイでスペインになにかアクシデントがあると、わからない。


クロアチアデンマーク
クロアチアはGLが好調な場合、R16でコロッと負ける癖があるため、デンマークがすんなり勝つイメージは拭えない。ゲーム自体は前半からスコアが動けばスリリングになるかもしれない。この試合は、先制した方が格段に有利になるゲームである。2-2の好ゲームになる可能性があるも、スコアレスになると、クロアチアは延長PKがあまり得意でない。PK戦になればデンマークがベスト8をモノにするであろう。


■ブラジル対メキシコ
ブラジルは、ドイツでなく、お得意様のメキシコでラッキーである。この時点ですでに勝ち運がある。ふつうに一点差でいながら内容は圧倒し、ブラジルが格の違いを見せるであろう。PK戦以外でブラジルが負けるのは想像しにくい。メキシコは、ドイツ敗退で勝ち運を纏ったかもしれないが、そもそも出来たはずの組1位抜けが出来なかった運のなさの方が強いかもしれない。同じ当たるにしても、スイスとブラジルでは落差がありすぎる。ただ、メキシコの7大会連続のR16進出はすばらしい。負けても、その評価が色あせることはない。


■ベルギー対日本
ベルギーが2-1か2-0で普通に勝つゲームであるが、1-0など一点差勝負の組み合える試合になるか3-2の大味な乱打戦になるか。日本はベルギーとの相性は悪くない。ベルギーは先制するとノリノリの勢いで爆発力を発揮し、3-0、4-1、5-0の大勝も現実的だが、追いつかれたり、逆転されたりすると一気にテンションが下がり崩壊する悪癖がある。ベルギーは個人勝負に走り出したら、お付き合いせず、徹底して縦パスや裏を狙っていければよい。仔細は<展望>にて書く。


スウェーデン対スイス
どちらの間合いになるかの綱引きの試合だが、終始、スイスがゲームを握るだろう。シャキリ、ジャカがスウェーデンの橋頭堡の前に動けないと厳しい。もちろん、スイスの先制が遅いと、スウェーデンの間合いになる。スウェーデンEURO2004ギリシャの様なドン引き堅守からセットの一発に賭ける戦い方しかない。


■コロンビア対イングランド
GLを一位抜けしたとはいえ、H組で一番消耗したのはコロンビアである。後手に回った状態でイングランドと闘うとなると、どこまで開き直れるかである。そうなるとぺケルマンの手腕は足かせになるリスクがある。イングランド年功序列人選でないため、勢いと爆発力を出せるかどうか。ここを勝つと決勝が見えてくる。EURO2020優勝へ向けての地ならしか、それとも、U17、U20のユース年代含めたすべての世代でW杯優勝、年代別3冠となるかに注目である。


個人的な妄想で根拠はないが、日本が決勝トーナメントでブラジルの山に来たのは、新監督とアトランタ五輪の縁が少なからず細く繋がっている気がしてならない。誰も、まさか日本がベルギーに勝つとは思ってない。マイアミの奇跡が再び起こるなんて誰も想像していない。世界の趨勢はアンチヒーローの日本に負けろと思っている。そんな逆行の時こそ、逆流のマグマは煮えたぎるものである。


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