<展望> U-23日本代表 対 U-23エジプト代表  「また、千載一遇のチャンスを逃すのか」

         

    
シドニー五輪の準々決勝は、相手が(さして強くも無い)アメリカで、終盤、2-1とリードしながら、無理にフラット3を貫こうとして、ペナルティエリア内でファウルを犯し、同点にされ、PK戦で散った。もし、勝っていたら、あと2試合は出来た。そんな、どこにも向けようの無いやるせなさは今も忘れない。

今回、それを繰り返してほしくない。決勝トーナメント準々決勝の相手は、ブラジル、ウルグアイでもなければ、ナイジェリア、アルゼンチンでもなく、エジプトである。日本が楽に勝てる相手ではないが、準々決勝の舞台を考えると、この相手はなかなか廻り合えない。もし、相手がブラジルだったなら、負けても諦めもつくが、エジプト相手に負けたら、いったい、どんな感情になるか。すでに今回の五輪では、メダルチャンスがありながら、メダルを逃している他種目のシーンを見かける。実力はあるのに、メンタルをコントロールできず、敗れていくシーンも見かける。

1点差勝負か(展開次第では)大差がつくが、おそらく、試合は死闘になるだろう。スペインのいたグループリーグを首位突破した日本が簡単に勝つというのは妄想でしかない。もちろん、スペインが2位通過していたら、その考え方も有りだったが、日本の居たD組は、実力通りの結果ではなく、流れに乗ったかどうかの差でしかなかった。よって、日本がハナから勝つと見立てる試合ではなく、いかにエジプトと組み合えるかになる。よって、日本の選手が、スペイン戦と同じモチベーション、集中力でエジプトと戦えるかがポイントになる。もっというと、エジプトに挑戦する気持ちになれるかだ。尚、ツーロンのリベンジをモチベーションにするのは良いが、あの試合は参考外だ。あの試合は、主審がふざけた笛を吹き、ほぼ試合になっていなかった。

相手のエジプトには、オーバーエイジ3人が居て、日テレのCWCの番宣で紹介されていたあの人もいる。セットプレーは要注意で、ショートパス、スピードあるカウンターにも警戒したい。なにより、チームとして作ってきた時間が、日本より上なのは明らかで、実力勝負に持ち込めば、エジプトの勝利は疑い無い。日本が長じたいのは勢いと気持ちと集中力だけ。技術ではなく、タフで、人間的な部分で勝ち負けを競う展開が好ましく、素直な実力勝負になると、日本は、完全に負けてしまう。気持ちで押し切るしかない。

試合だが、立ち上がりの入り方、前半10分くらいで流れは決まる。様子見で、ゆっくりした立ち上がりだと、エジプト有利。日本がチェイスを仕掛け、エジプトが慌てれば、日本の流れになる。また、相手にがっちり守られると、日本がスターターで抉じ開けるのは無理。むしろ、圧倒的に攻められながらのカウンターの方がいいかもしれない(もちろん、失点する確率は高まるが)。先制点がモノを言うのは言うまでも無いが、今回は、先制する時間の早い遅いは関係なく、オウンゴールでもなんでもいいから、取れる時に獲ることが大事になる。本当の好機は、ワンチャンスかツーチャンスしかないだろう。それをモノにした方が、ほぼ試合のイニシアチブを握る。出来れば、香川真司よりも先に、日本の誰かがオールド・トラッフォードのゴールネットを揺らしてほしいものだ。

グループリーグ3戦目を全力で戦ったエジプトも疲労している。とにかく、先手必勝である。日本としては、前半は、0-0でいいが、出来れば、前半に先制して、ハーフタイムを迎えたい。2-1の1点差ではなく、1-0のスコアが日本には好ましい。逆に、先制されると、厳しくなる。先制されたら、修正などしている時間は無い。正確には、修正ではなく、リスクテイクするしかない。(日本が先制された場合)引いたエジプト相手に強引に抉じ開けられるタレントは、永井か宇佐美しか居ない。ただ、日本は先行逃げ切りの人選布陣のため、失点したら、日本の敗退が80%以上確定する。ほぼ、そこでジ・エンドとみていい。もっというと、試合は、常に引き分け以上の状態をキープでなければ、日本はまともにプレーできないとみていたほうがよい。また、この試合は、スコアが動けば、片方に大きく振れるかもしれない。よって、日本の快勝も大敗もありえる。

日本は、エジプトのスピード、スルーなどで2度、3度崩されるであろう。扇原、山口は大変だが、(実力不足は明らかでも)やるしかないし、最終ラインはもっと大変だ。とはいえ、これまで日本が失点しなかったのが不思議なくらいで、いつ失点してもおかしくは無い。特に、イージーミスからの失点は、織り込んでおいたほうがいいだろう。このあたりのミス・クオリティは浦和と変わらない。あと、乱打戦は回避した方がいいだろうが、それこそ(等々力の)関塚さんワールドであるのも否定は出来ない。

誤審や退場者などの不確定要素もあるが、試合が終盤になれば、両者ともにバテて、ガス欠になるかもしれない。そこでスコアがモノを言うのだが、勝ってるほうがそのまま逃げ切るであろう。引き分けの場合、延長がちらついてくる。当然、120分の延長、PKも考えておかねばなるまい。タフな展開であれば、PKでは、権田に期待したい。

今一度、釘を刺すが、日本は楽に勝てない。エジプトは強い。個人能力含めて実力は日本より上だ。(贔屓目を外した)個人的な予想は、1-0か2-0でエジプト勝利である。それでも、ブラジル、ウルグアイと当たるわけではない。もし、ここで敗れたら、千載一遇のチャンスの取りこぼしと見ていいだろう。逆に、エジプトに負けてしまうくらいなら、(ほぼ来年のコンフェデメンバーの)ブラジルとやって負けたほうが、現時点での実力の距離を測れた分、収穫もあることになる。そうならないように願いたいが、現実は厳しいだろう。

ただ、「がんばったから」で済む試合ではない。今回に限り、日本が負けた場合、「あと、2試合出来た(経験を積めた)」という後悔ではなく、「メダルの絶好のチャンスを逃した」ということになるだろう。そして、釜本氏が40年以上前の過去を、今後も、昨日の栄光のように話すことになる。尚、試合のキックオフは日本時間の20:00で、Jリーグ20節の試合が終了したくらいに重なるため、Jクラブのサポーターからすれば、五輪など関係ないかもしれないが、見るなら、ほとんどワンセグになるのではないだろうか。

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