【検証】Toer Afrika(ツールアフリカ)の雲隠れ問題、W杯トラブル <ワールドカップ日本人ツアー業者の連絡不通の真相>

     
  
    

先月、Toer Afrika(ツールアフリカ)の記事を書いた時点では、Toer Afrika(ツールアフリカ)は、名もしれれぬツアー業者だった。それが2週間足らずで、全国区に名前が広まりつつある。被害者のことを考えれば、今後、さらに名前が拡大していくことが望まれる。また、5月3日に被害者が約20-30名ほど集まって、今後の対策を警察と話しあったようだが、これは氷山の一角で、Toer Afrika(ツールアフリカ)に、申し込んだ人は、もっと居るであろう。大箱のダーバン日本人キャンプなどは昨夏ごろの企画であり、去年の6月からは、ヨハネスブルグケープタウンでも、ゲストハウスなどの募集を先着順でしていた。送迎だけでも、依頼していた人も居たはずで、まだ、気づいていない申込者が、これからも出てくるかもしれない。

もともと、Toer Afrika(ツールアフリカ)は、個人の趣味でやっていた手配業務レベルであり、正確にはプロではない。よって、業務が大きくなれば、パンクするというのは、当ブログでも、警笛を鳴らしてきた。しかし、今回の南アフリカ現地観戦は、ドイツ大会とは違い、個人手配がしづらい上、あれこれ依頼する先の選択の余地があまりにも狭すぎた。よって、Toer Afrika(ツールアフリカ)に頼った人が悪いというのは、やや厳しい見方になる。どちらかといえば、選択の余地が少ない以上、ある種、仕方ない状況だったともいえよう。そして、その狭い選択肢の状況は、現在もさして変わりはない。

そもそも、航空券や観戦チケットを自分で購入したが、国内での宿泊、移動手段を必要とする観戦客が多いという需要に対し、国内の大手旅行会社がしっかり対応できなかったのも一因である。彼らの事前予想、見積もりが、あまりにも甘かった。その市場ニーズに確実に応えた旅行会社がほとんど無く、動き出しも遅かった。多くの旅行会社は、チケットから宿泊、航空券まですべてをパッケージした高額商品を売りに出し、(チケットがプラチナだった)過去のノウハウでやってしまった。また、毎度の弾丸ツーを組んでも、価格は安くならない為、あまり意味は無いという悪循環に。

その間隙を衝いたのが、このToer Afrika(ツールアフリカ)日本人キャンプだったといえよう。結果的に、正規の大手旅行代理店より、市場のニーズを的確にキャッチアップし、はじめから航空券やチケットを自分で購入した客相手の募集を開始。それも、まだ、どこも動いていなかった去年の6月から行っていたのである。もちろん、去年の第一次海外販売チケットの当選発表があった4月頃から、ツアー立案の問い合わせが殺到し、その時点で、市場の選択肢がToer Afrika(ツールアフリカ)しかなかった。また、Toer Afrika(ツールアフリカ)が、チケットや航空券を斡旋しない南アフリカ国内での手配に限定されたドメインだったという追い風も吹いた。

問い合わせの多さに色気を出したToer Afrika(ツールアフリカ)は、W杯チケットの販売もやったが、こちらは、まったくの総スカンだった。2009年のコンフェデレーションズカップでは高額VIPのパッケージを売りに出したが、申込者はゼロ。昨年の11月に南アフリカで行われた「南アフリカ対日本」の親善試合でも、チケット、宿泊、送迎の観戦ツアーを企画したが、なんと売り出したのは(安全優先という名目による)高額VIP席のパッケージツアー。しかし、開催スタジアムが決まらず、抑えた場所のキャンセルを食らい、Toer Afrika(ツールアフリカ)が振り回された挙句、ツアーは座礁に乗り、中止になった。


Toer Afrika(ツールアフリカ)における今回の一連の件が、他の振り込め詐欺や騙しの手口と大きく違う点は、Toer Afrika(ツールアフリカ)のW氏が、最初から騙しの目的があった様子は見られなかったということ(推定)。実際、去年の春先から、問い合わせには、あれこれアドバイスしたり、親身になって行っていた。南アの治安への警笛も鳴らしていた。また、W氏の発信する個人ブログでの南ア現地情報は、Toer Afrika(ツールアフリカ)に申し込みをしてない現地観戦予定者にさえ、役立つ情報であったのは事実。組織が小さい、レスポンスが悪い、W氏がサッカー素人である以外は、特に、大きな問題点も見られず、申込者のほとんどは、Toer Afrika(ツールアフリカ)というより、W氏を信じた部分が大きかったといえよう。たしかに、はじめから騙すつもりが無ければ、襤褸は出にくく、客側も判断に迷うところでもあったはず。


ただ、遡及していくと、逆に、そこから、ある仮説が浮かび上がる。

たとえば、去年の夏ごろから、南ア現地業者から(現金が戻らない)キャンセルを食らったのか、モメたのか知らないが、Toer Afrika(ツールアフリカ)のW氏に、なんらかの負債が発生した可能性が高い。というのも、当初予定していたヨハネスブルグでの日本人キャンプにおいても、募集80名に対して、半分超えた程度しか集まらず、清算の取れない様子だったことも、W氏個人の過去ブログから伺える。それを挽回すべく、大箱のダーバンキャンプを企画したが、それも、立ち行かず。結局、負債を抱えて進路変更を余儀なくされたと考えるのが自然である。結果、負債が拡大し、負債を顧客に弁済させる形で、夜逃げするように連絡不通・消息絶つことになった線が太い(推定)。もしくは、本当に何かのトラブルに巻き込まれているか。

あくまで仮説でしかないが、もし、そうでなければ、今回の一連の流れは、相当なヤリ手の詐欺師ということになる。丸一年もかけた大掛かりな仕掛けというには、映画「スティング」も真っ青な詐欺劇だ。また、本物の詐欺師ならば、Toer Afrika(ツールアフリカ)のサイトは、跡形も無く消し去ってから、行方をくらますであろう。

ひとつだけ確実にいえることは、Toer Afrika(ツールアフリカ)の相手は泣き寝入りして、簡単にあきらめてくれる観光客ではないということ。W氏もサッカーについては、素人であり、サポーターの脅威をなにも知らない。損害を受けたサポーターにロックオンされたら、まず、逃げられないだろう。


*記事は推測の範疇です。確定情報ではございません。
*今年に入って、Toer Afrika(ツールアフリカ)を知った方には、理解しがたい部分があるかもしれません。
     
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