行く人、来る人 日本人のフットボール移籍

       
      
冬の移籍市場は、まずまず動いているところか。イキがいいのは、今季ACLベスト4の名古屋だ。絶対にタイトルを取る、チームを強くするというフロント(強化部)の意思が強く伝わってくる。バヤリッツア、吉田が出るため、闘莉王の補強はまことしなやか。攻撃陣でも、金崎を獲って、アクセントに。ピクシー3年目とあり、2010年で何かしらの収穫をしたいところであろう。

上位では、同じく、東京も、森重を獲って、DFラインの充実を図りに行くが、チームがムービングフットボールを継続、充実させるなら、柏木を取るべきだったのでは。(梶山がいるものの)今野と縦でコンビを組んだら、たぶん、最強タッグになるはず。その柏木は、浦和へ行くが、消化不良を起こしそうな悪寒も。浦和が柏木主体にチームを作れるか、もしくは自然と柏木主体のチームになるのか。そのあたりが注目ではあるが、上手く行く可能性は、50:50以下だ。とはいえ。その柏木も浦和の長く腰を落ち着かせるわけでもなく、小野のように欧州へ行くであろう。

横浜なども、FWさえ決めれば、上位を狙えるだけに、補強次第では、来季、躍進する。また磐田も、駒野放出を阻止し、パク・チュホを獲るなど、さらに守備への梃入れが成されれば、来季は上位を狙えるかもしれない。


海外へ行く選手も出てくる。吉田、(内田?、香川)などは、そういった動きで、今でなくとも、近い将来、海外移籍になるであろう。逆に、海外からの帰国だが、W杯出場のために、帰国して日本でプレーしても、良い結果になることはない。なにより選手の焦りの現れでしかなく、当落ギリギリであっても、海外にいようが、国内にいようが、あまり関係は無い。もちろん、試合に出られなければ、それだけ本大会のメンバーに選ばれない可能性は高まるが、(レベルの)ハードルを下げて帰国した選手が、W杯本大会で武器になることは無い。それに、すぐJリーグに適応できる保証も無い。稲本がJリーグ復帰の噂もあるようだが、これは、帰らないほうがいいかもしれない。

そんな中、W杯とは関係あるのか微妙だが、小野が清水に移籍する。これは彼の出身地なので、個人的には、W杯云々より地元に復帰という形だ。だが、清水は、売り出し中の枝村(さらに藤本も)が居るため、小野のポジションは確約はされない。そういう意味で言うと、チームの経験値引き上げという側面はわかるが、今回の移籍にかかるコストは、やや高いかもしれない。

最後に、海外での移籍では、本田にスポットがあたる。すでにVVV退団の方向の路線だが、チャンピオンズリーグ16強に残ったCSKAモスクワから正式なオファーが来ているようだ。彼の場合は、チームのブランドより、試合に出られるかどうかで成否も変わってくるであろう。長谷部も、どこかからオファーがあってもおかしくはないが、まだ、意識が初期レベルで、プレーでも、ミスが散見され、課題は多い。

中村俊輔は、出場機会に恵まれないが、所属チームがああもバタバタしていては、何もしようがない。安易に横浜に復帰せずに選んだリスクチャレンジだが、もし、試合機会が激減し、柏木、小笠原などの新召集が呼び水になれば、わからないかもしれないが、アディダスがそうはさせないであろう。松井、森本には、別段の動きは無い。