サッカー日本代表の2010年テストマッチ
一般的に、テストマッチの目的を大別すると、
①チーム強化(課題提起)
②新戦力補充(テスト)
③仮想検証(模擬体験)
④メンバー選考(切り捨て作業)
⑤調整(スパーリング)
②新戦力補充(テスト)
③仮想検証(模擬体験)
④メンバー選考(切り捨て作業)
⑤調整(スパーリング)
になる。
⑤調整は大会直前の手慣らしのようなもの。④も、詰めの段階の作業。③仮想検証は、寒暖環境想定や仮想相手との試合、②新戦力補充(テスト)は新しい選手の招集&確認。対戦相手が強い必要は無い。①チーム強化(課題提起)は、強豪相手と戦い、現時点でのチームの力を図る&課題検証。
1月6日のイエメン戦は、2200mの高地サヌアで行われる。よって、ここは、②新戦力補充(テスト)ではなく、③仮想検証のはず。岡田監督のハイプレスラン戦術が、高地でどういったことになるのかを(5月のスイス合宿ではなく早めに)検証すべきである。もちろん、シーズンオフ、天皇杯決勝直後というタイミングの悪さは否めないが、先日、『サッカー日本代表がW杯ベスト4を目指す代償は何だろうか?』で書いたように、レギュラー組は休んでいる場合でもないであろう。ベスト4を狙うなら、6月が終わるまで休みは無い。シーズンを棒に振ってでもという覚悟がなければ、W杯ベスト4など、ありえない。(このリスクを追わない段階で、WBCの日本代表にすら及ばない)
報道では、山田、米本、金崎、大迫、柏木、平山が召集される噂だが、②新戦力補充(テスト)は2月の東アジア選手権でいいはずだ。
W杯本大会まで、最大でも、10~11試合しか出来ない。1試合も無駄には出来ないはず。KIRIN杯も、スウェーデン、エクアドルではなく、どのみち、観光兼ねての冴えない相手が来そうだ。そして、さらに、スケジュールも上記のようには行かないようだ。
現時点でのAFCからお達しで、3月3日を欧州アウェイ遠征に当てられず、バーレーン戦を行うことになった模様。2007年にアジア杯で3位以内には入れなかったオシム時代のことをあれこれ言うつもりは無いが、だったら、同じアジア杯予選のあるオーストラリアとでも(前後の日付で)親善試合でもしたらどうなのだろうか。日本からすれば、仮想デンマークになるであろうし。どうも、今の日本サッカー協会には、(平田竹男のような)マッチメイク、やりくりのプロが居ない。
W杯1次リーグG組で北朝鮮と同組のポルトガルが、アジア対策として日本に対戦をオファーしてるとか。まあ、直前合宿で強豪とやって、(数字を取りたい)マスメディアや日本サッカー協会関係者は、自己満足してしまうのであろう。だが、直前で強豪とやるのは、どこの国もやってるし、世界から見た日本株と同じで、その時点で、すでに(日本代表は)出遅れている。
さらにいえば、AFCも、アジア勢がW杯で勝てなければ、アジア枠が減らされる危機感がまるで無いようだ。すくなくとも、アジアのW杯出場国をフォローアップすべきスタンスにもかかわらず、日本、オーストラリア、北朝鮮にアジア杯予選を国際Aマッチー出にさせるとは、愚の骨頂である。アジア王者のイラク、イラン、サウジアラビアがW杯出場出来ないことへの懸念も無いようだ。
とりあえず、荒業として、3月3日のバーレーン戦を(制裁覚悟で)不戦敗にする手もあるにはあるが、生真面目な日本では出来ないだろう。もしくは2チーム分作るか。それでなくても、Jリーグ開幕が3月6日である。根本的に、すべてにおいてのタイミングがズレている。