<展望> ガーナ代表 対 日本代表

   
   
先日のオランダ戦を戦った感触からすると、日本が、アルゼンチン、ブラジル、オランダ、(スペイン)から勝ち点3を上げるのは難しいということ。日本が数的優位を作ろうが、相手が10人だろうが、圧倒的な個人能力勝負に持ち込まれると、組織しか拠り所の無い日本は、なす術がない。逆に、イングランド、ドイツ、フランス、(イタリア)には、多少なりとも勝機(引き分け)はあるかもしれない。

ただ、現実として、日本代表が、今の(攻守の切替を早く、プレスして、運動量で勝負する)原始的なフットボール・スタイルを確立したとしても、本大会では1勝が現実的だ。逆に、あのフットボールで本大会1勝なら良い結果といえよう。岡田監督は、あれをどこまで磨くかであるが、Jリーグで玉田、岡崎、大久保、中村憲は守備や運動量を売りにしてる選手ではないし、やり方を何も変えないのであれば、カレン、巻、柏木など、そういう適材を当てるしかないのでは。あと、このチームは、動き回ってチェイスしているが、動きながら、ゲームを読んだり、流れを感じられるプレイヤーがピッチに居ない。とはいえ、それが出来るのも、不祥事からJリーグ大分に復帰した菊地くらい。また、日本は、ゲーム中に決め事が出来なくなると、何も出来なくなり、容易に崩壊する。

得点力については、セットプレー頼み。日本のシュートの下手さ加減は、課題とかいうレベル以前のものだ。先日、マタイセンは「日本はゴール前20メートルまではいい攻撃だったが、そこから怖さがない。全く失点する気がしなかった」とコメントしてるが、たしかにオランダ視点で試合を見返すと、そうだ。日本は、アメフトのように、10ヤードずつ上げ、決められたようにファーストダウンテンを繰り返すだけ。もし、サッカーにゴールという作業が無く、陣地だけ稼ぐ勝負なら、日本は、そこそこ強いのではないだろうか。だが、サッカーには、シュートがある。ただ、本田、石川のように、意識さえ変えれば、見違えて変わる場合もある。すくなくとも、彼らのシュートは枠に飛ぶ。


さて、ガーナ戦の展望だが、スタンドはガラガラであろう。また、ガーナのモチベーションもどうだろうか。6月のウズベキスタン戦でW杯出場を決め、次戦のカタール戦で間延びして弛緩してしまった日本ではないが、先週、ガーナもW杯出場を決めたことで、やや流す程度になるかもしれない。アフリカから遠征してくる分、疲労もあり、ベストコンディションではない。そうなると、ガーナ戦はエキシビジョンマッチとなり、日本が普通に戦えれば、快勝するはず。場所はオランダでやってるが、キックオフ時間は正午12:00で日本のゴールデンタイムに合わせてあり、この時点で日本主導のエキシビジョンマッチである。

日本代表のポイントは、中3日でどう気持ちを切り替えられるかである。これもW杯グループリーグ3試合の緒戦を落とした後の戦いのシュミレーションにはなるが、おそらく、先発メンバーを変えれば、モチベーションの高い控え選手の方が、いい試合をするであろう。えてしてそういうものだ。

普通に戦えば、ガーナの方が強いのだが、ガーナがどういうモチベーションで、どのようなゲームの入り方をするかわからない。おそらく、グズグズで、ガーナのテンションはかなり低いはず。場合によっては、再びオランダ戦のような日本の片想いの構図になるかもしれない。展開的には、日本が先制して欲しいところ。とりあえず、立ち上がり数分の雰囲気で、ゲームがどうなるのかわかるはずだが、日本が気持ちで上手く切り返せていれば、ゲームもスムーズに入り、日本が主導権を握るはず。あの原始的なフットボールも、まずまずやれて、自己満足するであろう。予想スコアは2-2のドローか、1-0で日本勝利。ただ、ガーナがやる気満々だったら、2-1でガーナの勝利としておく。


このガーナ戦を最後に、本田の召集が無くなるとしたら、山瀬、石川の召集もないと見ていい。逆に呼ぶようであれば、既存の誰かが外れることに。とりあえず、岡田監督は、今居るメンバー以外に伸び白を期待していないようだ。残るプラスアルファは田中達也が完調になることぐらいしかない。尚、本田は自分のスタイルを変える必要はない。代表に入りたくて、自分を変える必要は無い。今のVVVのスタイルのまま、突き進むしかない。(守備も)出来るならいいのだが、出来ないことを無理してやっても、バランスを崩すだけだ。本田の取捨は、岡田監督が決めることである。