南アフリカW杯チケットは無料チケットで溢れてしまう?。

  


今回ばかりは、ワールドカップのチケットも、プラチナチケット、プレミアチケットにはならない。「W杯チケット=価値がある」と見なしていると、情報が古いことになる。むしろ、今回は買えるかどうかではなく、チケット代を実費で支払いをするのは海外からの観戦者で、国内観戦者は無料での観戦になるという公算が大きい。すでに一次販売、二次販売の抽選方式の動きを見ていれば、おのずと、その無料分と有料分の分配、調整に時間を費やしている腹黒さが見え隠れする。

国外観戦者=支払いをして観戦
国内観戦者=無料チケットで観戦

すでに南アフリカ現地において、スタジアム工事に携わった人、国内の開催地地元住民に無料チケットが配られるニュースがちらほら出ているが、この動きは、今後、さらに拡大していくであろう。つまるところ、貧民層は無料。金のある人が、金を払って見なさいという論理である。(まあ、適切といえば適切かもしれない)


それではチケットの収益が落ちるのでは?という疑問もあるであろう。ところが、無料チケットが出ようとも、大会全体をトータル、グロスで見れば、FIFAの収益は黒字になる。94年大会以降、放映権料、スポンサー料でFIFAは莫大な黒字を果たし、たとえチケットが売れなくても、大きな打撃にはならない。そればかりかチケット料金は収益の中心ではなく、極論を言うと、本大会で行われる64試合を無観客試合にしても、FIFAの懐は潤う仕組みである。もちろん、64試合が無観客だと、見映えが悪い為、放映、スポンサーに対して体裁を繕うために、スタジアムを70-80%埋めればいいというのがFIFAの考えである。(よって、チケットが一枚残らず売り切れることはない。)

話を戻そう。チケットの収益が落ちても構わない以上、無料チケットは、かなりの枚数が国内でばら撒かれるであろう。おそらく、チケットを金で買う行為自体、馬鹿馬鹿しくなるかもしれない。まだ、抽選でチケットを手にしてない方は、このあたりを考慮して、動くのも一手だ。今回は追い込み馬が勝つレースである。本命のみ抑えて、後は様子見が良い。買い手市場ゆえ、ノーチケットで入国する人は、売り手からモテまくり、試合や座席、価格を自由に選べるであろう。今回はノーチケット組が勝ち組になる。

無料チケットで、新たな問題も出るであろう。無料チケットがばら撒かれる以上、おそらく、ブローカーは、それを狙ってくる。無料で手に入れて、有料で捌く。無料チケットを手にした国内の貧困観戦者も、観戦の思い出より、目の前の現金を100%優先するし、逆に、無料チケットが金になるという論理から、無料チケットを中心にした問題や事件が多発するかもしれない。(たとえば、ブローカーが貧困層を使って無料チケットを回収させて、ほぼタダ同然で買い上げるなど)

W杯チケット=プラチナチケット、プレミアチケットではない傾向は、おそらく、2014年のブラジル大会でも同じになりそうだ。経済の貧困なブラジルで、馬鹿高いチケットを買えるのは、ごく一部の富裕層になる。おそらくは無料チケットの放流で、2018年大会までは、チケット難民が出ることはないだろう。


*記事は推定に基づいて書いております。くれぐれも確定情報ではございません。