南アフリカの治安(2010年ワールドカップ南アフリカ大会・W杯チケット)

  

【心構え】

★ラテンなどそうだが、加害者が100%悪い以上に、やられる被害者が200%悪いという考え方。
性善説の日本とは、完全に認識が逆です。

★治安の悪い国では、スリ、置き引きは犯罪のレベルに入らない。

★個人手配旅行より、極力、大手旅行会社の観戦ツアーを利用した方が懸命




【南ア現地観戦サポーターの行動パターン】

空港←→宿泊
宿泊←→スタジアム
空港←→スタジアム

(基本的に、これ以外の行動は控えるのが望ましい)

★スタジアムを中心とした半径1km~2kmのセキュリテイエリアは、南ア警察によって完全封鎖されるが、試合後はこのセキュリティが解除される。



【比較的無難な場所】(スリ、置き引きは除く)
・巨大ショッピングセンター
・スタジアムのセキュリティ・エリア内
・空港
・ホテルの立ち並ぶ中心街(サントン、ローズバンク、ウォーターフロントなど)

上記以外でビデオカメラ、デジカメ撮影はしないこと。基本的に、スタジアム、ホテル、空港以外に、行かないことである。われわれ現地観戦者が注意すべきはスタジアムからの帰り。ここが一番危ない。試合後は、どこにも寄らず、まっすぐにホテルまで帰ること。常にサポーターの群れにいること。また、レストラン、スーパーなどは夕方までの営業は少なく、店舗は、リオ、マイアミ同様に、鉄格子、防弾ガラスで自衛してる。



【治安特記1】

南アフリカの治安が悪いことは、もはや説明不要だが、アフリカ大陸の中では、実は、南アフリカが一番治安のマシな国である。大会までに、過剰、オーバーな表現による冷やかし情報が先行しがちだが、そういった噂に惑わされず、自分がどういった行動パターンをして、なにが危なくて、なにが問題かをきちんと正確に把握することが大事である。

たとえば、南アフリカの最悪の治安についての過剰、オーバーな表現がなされるのも、ヨハネスブルグダウンタウン、中央駅を特化して言っている場合が多い。よって、ここに足を踏み入れなければ、最凶に関与することはない。悪名高きヨハネスブルグも、ローズバンク地区、サントン地区に行けば、それなりの治安が保たれている。(もちろん、近年はこちらの治安が低下してるという情報もあるが)、大会期間中は、何千ものサポーターもこちらのエリアに集中するため、普段とは違った雰囲気になり、ある程度の犯罪抑止は想定できる。また、空港から直接サントン地区を結ぶハウトレインのセキュリティも注目だ。蛇足ながら、南アフリカ大会は行かないが、ブラジル大会は行くという方はいるようだが、実際、ブラジルのほうが(インフラ、経済、治安、スタジアム)すべてにおいて南アフリカより遥かに最悪である。


初期行動の予備・準備としては、まず、間違ったイメージ・情報を排除し、本質を見極めることである。その中で、何が危ないかを精査すればよい。基本的に、南アフリカの犯罪の種類は、後ろからの首絞め強盗、凶器による脅し強盗などの強引な盗みが主で欧州のような頭を使った戦術的なことはしてこない。もちろん、殺しがメインではなく、場合によって大怪我、殺されることもあるということ。

まず、サポーターが犯罪に遭いやすいのは、まちがいなく移動中である。現地では、駅、空港、スタジアム、ホテルの間での移動がメインになるが、短い距離でも、昼夜問わず、タクシーかホテルのシャトルを利用することは必須(これはマドリードと同じ)。都市間移動は、長距離バスか、国内線飛行機になるが、席が取れなければ断念する勇気も必要。レンタカーもレンタカー自体が少ないのと、ガソリンスタンドでは現金(ランド)しか使えないのはネック。

また、移動中、大きな荷物を抱えているときが一番危ない。可能ならば、大きな荷物での移動回数を極力、減らすことである。われわれ日本人は、荷物を持って行動するのが日常だが、現地では荷物を持っていれば、狙ってくださいと言ってるのと変わらない。欧州でのフットボール観戦は、手ぶらが基本である。特に試合観戦では、なるべく、荷物は少なくして、手ぶらか身軽な状態で行動するのがよい。当然、夜間の出歩き、危険なエリアに立ち入るのは論外である。



さて、そんな最悪の南アフリカで、どこが比較的マシかといえば、まず、ショッピングセンターなどが上げられる。もちろん、犯罪発生はゼロではないが、街中よりは幾分マシ。ホテル併設のショッピングセンターが多く、観光ツアーでショッピングセンター巡りがかならず入るのも、そういった背景がある。基本的にファストフードなど食のインフラは整っているが、日暮れともなると、すべて店は閉まってしまうため、夜は別世界になるということも頭に入れておこう。特に、試合終了後、立ち寄りはしないこと。食事を取るならホテル内のレストランが無難であろう。


また、大会期間中はスタジアムのセキュリテイエリアが一番安全になる。(日韓大会以外のW杯は)毎大会そうであるが、試合前後のスタジアムは、軍や警察によって完全封鎖される。今回の封鎖内容は、スタジアム半径1km~2kmは南ア警察によってセキュリティが敷かれ、数箇所に何重もの検問(チケットチェック、ボディチェック、金属探知機検査)を置き、路上には数百台のパトカー、巡回する騎馬警官などで固められる。一般車両は通行証かメディアパスがない限り、入れない。スタジアムへの入場ゲートも一人ひとり鉄柵口を通じての入場となる。基本的に、この試合前後のセキュリティエリア内であれば、スリ、置き引き以外は起こりにくいと考えてよい。ビデオ、デジカメ撮影も可能になる。だが、試合後、数時間でこのセキュリティが解除される為、試合が終わって、いつまでもスタジアムにいてはいけない。夜の試合であればなおさら。どこにも寄らずにまっすぐホテルへ帰ること。また、今大会は、スタジアムへの足として、パークアンドライド方式がとられるため、駐車場、路上駐車で車から降りて、徒歩でスタジアムへ行く。徒歩距離は1kmから2kmで、入場規制、混雑を予想しておいた方がいい。


大会期間中は45万人が訪れ、開催都市は観戦者による人口密度が高まり、むしろ、それが犯罪の抑止効果にはなる可能性はある。たとえば、街中の広場は、何千人というサポーターで埋め尽くされ、非日常と化す。あくまで、犯罪に遭う確率を下げるという考え方でいえば、サポーターと群れているのがよい。


日程の組み方はもちろん、予算・金の使い方によって、危険との付き合い方も変わる。金をかければかけるほど、セキュリティはあがるが、チープに抑えれば、セキュリティは下がる。また、犯罪に遭うかどうかは、基本、運でもある。安全な国で犯罪に遭うこともあれば、その逆もしかりである。つまるところ、南アフリカは、犯罪に遭う確率が高い国というだけでしかない。


最後に、南アフリカ組織委員が、「いったい、何が問題なのだ。問題など何もない」という危機感のない意識が大問題の根源である。彼らが言う「何も問題がない」とは、正しく通訳すると、「大勢の人が死ぬことはありません。何か問題があっても、強盗程度で、それぐらいはたいしたことではありません」ということだ。