サッカー五輪の本気度を問われても…

  

サッカー五輪におけるメッシ問題ですったもんだしているが、結局は、オーバーエイジだろうが、23歳以内の選手であろうが、FIFAの規約に文章として明記されていないため、クラブは抵抗できる。結局、韓国の朴智星オーバーエイジでの参加は見送られた。(彼は前回も23歳以内の選手でありながらPSVに参加を認められなかった)。今回は、代表マンセーの日本でもオーバーエイジで召集拒否(神戸:大久保)があったほどだ。やはり、ベストメンバーを組もうとする各国に対し、クラブの台所事情が左右されてしまう。イタリアのように、(五輪のために)開幕を遅らせる措置をした国でも、ミランのように(怪我を恐れて)カカの五輪出場を認めなかったところもある。(ロニーは移籍がらみのニンジンで認めたが)

もちろん、サッカー五輪へ快く送り出すクラブもあるが、こういった問題が出るということは、やはり、欧州クラブのサッカー五輪に対する認知度の低さを物語っているといえよう(おかげで29日のメッシの来日はなくなった)。ひいては、それは欧州のサポーターの感情にもいえることで、彼らもサッカー五輪支持というよりは、「オフの合宿前に、どこへ行っているのだ」となる。彼らサポーターは、新戦力チックに余念がなく、開幕前の期待感で、完全にサッカー五輪を蚊帳の外に置いている。それで国全体がサッカー五輪のために一枚岩になっているといえるのだろうか。事実、23歳以下に豊富なタレント要するポルトガルロナウド、ナニ)、フランス(ナスリ、ベンゼマ)は今回、サッカー五輪に出場しない。むしろ、イタリア、オランダより、ベルギー、セルビアのようなマイナー国の方が、(強いかどうかはさておき)よほど戦う体制としてはいいのかもしれない。

たしかに、過去の大会に比べれば、選手は集まっているほうであろう。だが、これで五輪が本気モードとか言われても、しらけるだけだし、これが現実である。第一、欧州各国リーグの開幕前、開幕後にサッカー五輪の本大会が行われること自体、軋轢を生む要因を見過ごしているとしかいえない。なにより、(勝てばうれしいのは当たり前だが)、負けても、次があると割り切れるような大会なのである。

とはいえ、こうなると、強豪国の調整がイマイチ、乗り切れていないしょうな印象もなくはない。フットボールは組織スポーツである。はたして、これが大会にどう影響するのか、中国の猛暑多湿の中、中二日の日程をこなすには、うまい下手、強い弱いではなく、チームが一枚岩でいけるかどうかであろう。そういう意味でいうと、日本の次のアルゼンチン戦は、大会前に波に乗る、士気を上げるには、もってこいの相手なのかもしれない。向こうも調整程度だ。昨日も書いたように、日本に大敗はなく、普通に組み合うであろう。