Jリーグ秋春制移行について

  

夏は暑くて、冬は寒い。(一部の地域を除き)日本のどこにいてもそうだ。汗の涙の高校野球じゃないのだから、やはり、炎天下でのフットボールはどうかと思う。炎天下のフットボールといえば、1986年ワールドカップメキシコ大会くらいしか思い浮かばなかったが、Jリーグ創設後は、当たり前のようになっている。正直、(コンテンツとしてかち合う)プロ野球と同じ時期にやる必要もないのだし、どちらかといえば、フットボールは寒い中、見るものであるとつくづく思う。冬にフットボールをするのは、ラグビー畑の平尾サッカー協会理事からすれば、当たり前のことなのだが、そういった動きがようやく出てくる様子だ。

犬飼会長 Jリーグ秋春制移行を検討
 日本サッカー協会犬飼基昭会長は22日、Jリーグの開催時期を現行の春から年内までの「春秋シーズン制」から欧州で一般的な秋に開幕して翌年春に閉幕する「秋春シーズン制」に2010年秋から変更する方向で検討していることを明らかにした。
 Jリーグのシーズンを欧州に合わせることは、外国人選手の獲得や日本人選手の海外移籍の面で利点がある。当初は06年をめどに「秋春シーズン制」に移行する方針を01年に固めていたが、積雪地帯にあるクラブの試合会場や練習場の確保、春に卒業する高校生や大学生の受け入れなどでの問題が解決できずに導入が見送られてきた。
 犬飼会長は10年のシーズンを同年7月に閉幕するワールドカップ(W杯)南アフリカ大会後にスタートさせる意向。「日本協会とJリーグでプロジェクトを組み、かなり進んでいる。問題はたくさんあるが、手はあると思う。解決していけばいい」と話した。09年シーズン後からのはざまとなる10年春にトーナメント方式のカップ戦を実施することなども今後検討する。

とてもいいと思うが、遅い。これについては、このブログでも、過去に何度か触れたし、以前、オシム氏も代表監督に就任した時にコメントしていたが、ようやくかよという印象。正直、今だから言うが、Jリーグの運営スタイルのなんとお粗末なことか、あのJ開幕後のステージ制も?だったし、引き分けのない延長PK戦も、降格昇格の枠の少なさ&プレーオフの甘さも?だった。それらの諸問題は、年々、Jリーグの規模が大きくなるにつれて解消され、(審判問題以外に)最後に残っていたのが、このシーズンの秋春制移行といえよう。

もちろん、秋春制へのシーズンの移行は反対意見のほうが多いだろう。特に、日本の場合は、(昔よりはマシだが、依然として)変更そのものを嫌う。しかし、現実的には、梅雨時期や、炎天下にフットボールしても、代表の中東対策かなにかでしかなく、夏休みがあるとはいえ、顧客サービスとしては最低のパフォーマンスだ。もちろん、冬の極寒の中、観戦するのも最低なのだが、欧州を中心とした世界標準はそちらである。寒さ対策は、顧客の防寒努力でなんとかなるが、暑さばかりは、東京ドームのように、スタジアム全体にエアコンを入れない限り、対策は不可能だ。

たしかに、移行までの空白の半年間の問題、弱小クラブの負荷、決算、雪国とスタジアムのヒーティングシステム、ACLなど、デメリットもあるが、世界レベルに追いつく長期的視点ではメリットの方が多いはずだ。雪国のクラブは、夏場にホームを、冬場にアウェイを偏らせて設ければいい。移行前の空白の半年間は、韓国が02年にやったように、代表チームの強化に当てればいいのでは。書くと長くなるので、ここでは仔細は割愛する。

基本的に、1月はウィンターブレイクを入れて、8月~翌年5月の開催でいい。カップ戦については、天皇杯は現行通りで、ナビスコを2月~5月にするのがベストであろう。天皇杯の(各クラブによる手抜き感覚の)格差もなくなるのでは。


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