五輪代表候補が発表されたが…

  
オーバーエイジについては、もともと、怪我の家長、柏木の離脱で、大きな戦力ダウンをしているのであり、(FK、PK含めて)遠藤一人入るだけでも、このチームは変わるだろう。もともと、中心になる柏木がいないのだから、遠藤の選出は当然といえば当然。(わたしとしては、柏木がいないだけで、このチームに感情移入はしにくい。)

水野は、試合勘の問題だが、伊野波は、吉田に押し出された形か。FWは最後まで混沌としているようだ。怪我明けの豊田を選んでも、コンディション、調子については未知数。それでいて、エスクデロはなんだったのか。そもそもFWは水モノのポジションであり、高望みしすぎでは(李と森本で行くしかない)。内田を選んだということは、4-4-2もありということか。なんだか、一貫性の見えない人選ではある。反町監督には、よほど失ってはならないものがあるのだろう。失いたくない想い、失うものがあると、人は保守的になり、最後は自分まで見失ってしまうものだが。

ただし、(こういうこと書くとアンタッチャブルになるが)結果は残すであろう(下馬評が低ければ低いほど)。ナイジェリア、オランダにもいい勝負するだろう。そもそも、誰が監督であれ、この世代には、結果を残せるだけのタレントはいるし、結果が出ないほうがおかしい。だから、ナイジェリア、オランダを撃破して、日本が決勝トーナメントに進んでも、不思議はないし、そうなったら、それはそれで選手の力であって、監督の力とわたしは見なさない。もちろん、負ければ、監督の責任であるのはいうまでもない。監督とは、元来、そういうものである。采配は賞賛されてもいいが、あくまで主役は選手であり、監督は責任者・管轄する代表者でしかない。いずれにしても、反町監督にはマイナスへ行く範疇はあるが、(ドラスティック以外に)プラスへ転じることはない。


■GK
西川周作 (大分)
山本海人 (清水)

■DF
水本裕貴 (京都)
細貝萌 (浦和)
青山直晃 (清水)
森重真人 (大分)
安田理大(G大阪)
内田篤人 (鹿島)
吉田麻也 (名古屋)

■MF
遠藤保仁 (G大阪)
本田拓也 (清水)
谷口博之 (川崎)
梶山陽平 (F東京)
本田圭佑 (VVV/オランダ)
梅崎司 (浦和)

■FW
豊田陽平 (山形)
李忠成 (柏)
岡崎慎司 (清水)
興梠慎三 (鹿島)
森本貴幸 (カターニア/イタリア)


▲漏れた有力選手
家長(大分)、柏木(広島)、水野(セルティック)、平山(F東京)、上田(磐田)、カレン(磐田)、萬代(磐田)、菊地(川崎)、寺田(大阪)、枝村(清水)、金崎(大分)など

漏れた選手でチーム作った方が強かったりして…

怪我、移籍などの事情があるにせよ、この世代の看板でもある家長(大分)、柏木(広島)、水野(セルティック)の三羽烏がいないというのは、なんとも残念な結果である。呼べとは言わないが、結果的に、近い将来、フル代表の主軸になる人間が五輪に呼ばれなかったのは、後世において語り草になるであろう。(そこまで五輪サッカーが発展していればだが)


最後に、大久保の召集断念だが、ひとつのターニングポイントかもしれない。これまで日本代表召集、五輪代表召集に対して、クラブは無条件降伏状態だったが、今回、はじめての拒否となった。普通であれば、オーバー・エイジであろうと、選ばれれば、断るということはなかったのだが、今回は大久保の怪我が表立った拒否理由となっている。だが、神戸の拒否には、社長の義理とかプライドとか、筋道を通す、通さないといった、いかにも日本らしい理由も内包している。クラブ主体の欧州で、五輪召集を断るというのは、もはや定説で、そもそもサッカー五輪はクラブに拘束権があるのだから、そこで、躓いているのだが、今回の顛末はくだらないといえばくだらない。

結局、日本サッカー協会反町監督のマネージメントの下手さ加減が原因である。オーバーエイジ選出が遅れていること自体もそうだが、野球の星野監督のようなマネージメント能力に長けた人材はサッカー界には、(祖母井以外に)いないようだ。


*オーバーエイジの賛否については論じておりません。とどのつまり、絶対評価では不要だし、相対評価では必要になる。