移籍ブレイクの未公開株は…

  
本当はすごいはずなのに、芽が出ず、ビッグクラブへ来て、ようやく開花という話はよくある。そのパターンとしては、やはり、オランダ、フランスから他国への転籍組が多く目立つが、パリSGで燻っていたロナウジーニョなど格好の例であろう。他のパターンでは、ドルトムントの至宝ロシツキもアーセナルに来て評価は変わった。マンチェスター・ユナイテットに来たテベスもそうだ。彼など、もともと、ウエストハムなどでプレーしていること自体、不思議でしょうがなかった。マドリードからリバプールに来たフェルナンド・トーレスもまずまず。ここでは、ざっと思いついた選手を上げたが、他にも上げればキリはないだろう。

選手には、相応しい環境でプレーする「格」がある。背伸びしすぎても駄目だが、燻っているのも良くない。その自分に相応しい環境を手に入れていないタレントは、まだ、いるであろう。ファン・デル・ファールトなどは、ハンブルガーSVでプレーするにはすこし、もったいない気もする。新鋭ではモドリッチクアレスマベンゼママリオ・ゴメスもそうだ。将来、彼らはビッグクラブでプレーしてもおかしくはない。

ただし、ビッグクラブ移籍には、運、不運もある。テベスなどは、あれこれ裏事情で盥回しされた印象もあるが、本人の意思ではどうすることもできない嫌な部分はある。巨大市場に正論は通用しないし、巨額の資金が乱れ飛ぶ。選手は札束というより、競走馬同様、株券として見られてしまうダークな面は否めない。ただ、たとえ、そうだったとしても、移籍ブレイクの未公開株は、そのまま紙屑だけにはならないでほしいものだ。


最後に、ロシツキがユーロ2008に出られないのは残念でならない。