現在の地上波におけるサッカー番組は…

 

ひところに比べると、昨今、地上波のサッカー番組が増えた。サッカーも昔はダイヤモンドサッカーだけで、プロ野球プロ野球ニュース、NBAの情報配信の番組などジャンルに特化したものが見受けられたが、今はまさに「サッカー」である。スカパーというマニア向けの有料コンテンツがあるものの、地上波のサッカー番組はむしろ増えている。ほぼ全局がなにかしらのサッカー番組を持ち、局によっては30分から45分に放送枠を拡大すらしている。それでいて、実際のJリーグの試合放送は少なく、試合を放送しても視聴率は5%も満たないにもかかわらず、こういったサッカー番組が氾濫しているというのは不思議な現象といえよう。しかも『スーパーサッカー』『やべっちFC』などは長寿番組になりつつある。まさに「ねじれ現象」とでもいうべきか。

民放各局のサッカー番組は以下。

■『スーパーサッカー
TBS 45分  
サッカー番組の老舗といっていいだろう。J2の試合結果も放送。しかし、生島、三井がやっていた時代に比べると、バラエティ色が強い。特集もやや弱いか。
代表放送のコピーは、「青炎燃焼」だが、KYなテレ朝ほどあまり浸透してない。

■『CXフットボールダイジェスト』
フジテレビ 60分~
毎週の定期番組ではない。枠を固定せず、ワールドカップの事前特集やチャンピオンズリーグ総集編や欧州の録画試合やたまに生試合を行う。おもに、月曜スポルトのサッカーコーナーとでひとくくりと解釈していいだろう。編集は上手いが、いいとこ取りの傾向も。年末に、中村俊輔、稲本、小野など、欧州で活躍するプレイヤーの60分特集番組をやったりする。

■『やべっちFC
テレビ朝日 45分
日曜の放送だけにJの結果がすべて出ているのは利点か。バラエティ色は強い。
ワールドカップアジア最終予選ACLなどのAFC主催試合の独占放映権をここが握っていて、代表放送のコピーは、「絶対に負けられない闘いがそこにある。」
毎年、年末に行われていた「サッカー日本代表版の朝生激論」はなくなってしまった。

■『サッカーアース
日本テレビ 25分
世界クラブ選手権(CWC)用の広報番組。
よって、試合より選手やスーパープレーに重きがかけられ、すこし偏りが見受けられる。また、週末のリーグ節前の放送のため、試合結果の情報に新鮮さはない。加えて、読売だけに、夜中にベルディの録画放送はかかさない。CWCでは、明石家は起用しない方がいいだろう。

■『Jリーグタイム
NHK-BS 40分程度
H氏が復帰し、あの駄洒落が炸裂している?
また、この番組とは別に、スペシャル系統でサッカーの歴史や日本代表を特集したりしている。特に昔の試合映像の再放送はありがたい。



民放で共通するのは、音楽番組同様、芸人が絡んでいること。ゆえにバラエティ化していて、各局とも、あれこれ企画を打ち立てている。とっつきやすくしている分、やや軽いのは否めない。

ただし、有能な解説者が充実しているラグビーに比べ、サッカーは解説者がまるで育っていない。人気と知名度だけで局が解説者を人選し、解説者側も再就職先色が強く、雇われ根性丸出しのため、(降板を恐れて)YES様に終始し、ラモスのような毒舌は少ない。セルジオ越後氏に関しては(たまに良い事を言う時もあるが)あれは毒舌ではなく、自分の好き嫌いを撒き散らしているだけでしかない。風間氏が良いとする風潮もあるが、周りがダメな分、よく見えるだけで、客観的的には可もなく不可もなく普通である。

できれば、ゲームの流れを読めて、状況心理を織り交ぜた展開を予測でき、勝敗の分岐点を指摘できる解説者を望む。「ボールも人も動く」など、耳障りの良い言葉を繋ぎ合わされても、何を言ってるのかわからないし、あれなら、自分の考え・言葉で喋る(素人の)フローラン・ダバディの方がマシである。