予想通り、開幕ダッシュに失敗した浦和の重症度は…

*あえて厳しく書いてますのであしからず。


はたして、浦和と日経平均株価の回復は、どちらが早いのだろうか。おまけに大阪や川崎までお付き合いしてしまい(これは予想外)、まさにドル売り並の急落スパイラル。キープレイヤーである山田、中村憲、遠藤に厳しいマークが入り、試合のどこかでDFの集中力が切れてしまうのは、川崎、大阪、浦和に共通する負の部分。川崎、大阪は相手を崩して決めきれないだけだが、浦和は相手を崩すまでにすらいたっていない。

浦和については、状態が悪いのは、今年に限ったことではない。去年も開幕から出来の悪い中、たまたま運よく負けていなかっただけに過ぎない。あれを勘違いして引っ張ってはならない。今年は相手チームが浦和を(過大評価しすぎて)研究している。


とりあえず、浦和の不調は開幕前から浦和が強いという錯覚、そして、大型補強というイメージで書いているので、想定通りである。たとえ、浦和が8連敗しても、わたしは驚かない。高原についても十分、予想内であり、逆にマスメディアは騒ぎすぎている気もする。ちなみに、浦和は昨年の29節千葉戦からJリーグで勝ちがない。点を取ったのも引き分けた31節の川崎戦のPKのみ。慢性的な得点力不足に陥っている。そんな浦和の今を指摘すると以下になる。

・なんとなくやっている。
・選手一人ひとりが楽をしている。
・思い切りがない(特に山田)、リスクをとらない。
・根拠もなく選手が密集しすぎ。なにも考えてない。
・ボールを持たない者の動きがまったくない。フォロー、ヘルプがない。
・オフの走り込みが足りないのか、動けていない。重い。サボっている。
・攻めてないから、CKが少ない。
・ミスが多い。(坪井)
・攻守の切り替えが遅い。
・声が出てない。

そもそも、どうしてサッカーやっているのかという原点すら見失っているように思われる。気持ち面で、まともなのは怪我の闘莉王の代わりに出た(安定感のない)細貝、(マッチアップで半分は負けてしまう)相馬くらい。後の選手はなんとなくやってるだけ。所謂、お仕事になっている。

それと、このようになった一番の元凶は、(解任された)オジェック監督自身の中にあったのではないだろうか。わかりやすくいえば、見えない心の隙である。これがわたしの浦和開幕ダッシュ失敗予想の最大の根拠だが、去年の浦和を振り返っても、運に恵まれた部分は多々あった。特に前半戦はどうして上位にいるのか不思議なくらいの出来だったが、あの上出来すぎた結果を普通と見誤るとこうなる。今季は、大型戦力補強でさらにカーテンがかかって盲目になったか。

また、マスメディアが浦和、浦和と煽り立てる分、(戦力補強だけでリーグ優勝もしてないのに)誤解した各クラブはモチベーションを上げて挑んでくる。浦和の勝利を格別のものと思い、やってくる。当然、研究もしてくる。よって、去年同様の心で望めば、こうなるのは明白である。選手獲得はオジェック監督の希望通りで、練習日程も代表に邪魔されずに順調と、言い訳は出来ない。特に選手獲得で(ジーコジャパンのように)選手のビッグネームに溺れ、オジェック監督自身の心に、わずかながらの隙があったとしても不思議はない。もっといえば、オジェックだけが王者気分でいたということかもしれない。


采配については書くと長くなるので割愛するが、公式戦をオープン戦のように捉えていた節は否めない。

とにかく、悪い流れのときは、信念を曲げずに風向きが変わるのを待つか、荒療治をするしかない。おそらく前者は、川崎、大阪向きで、後者が浦和向きの治療法になるであろう。すでに浦和は監督更迭の荒療治をした。当然、電撃解任して、どうとなるものでもないが、後になってドロドロになるまで放置しなかった事は評価できる。(株価、ドル円の異常事態に対して、なにもしない福田内閣、日銀に比べれば、浦和の動きはマシ。)ただ、結果的に、解任の時期は、去年、リーグを逃した直がベストであったのも事実である。


浦和、川崎にとってラッキーなのは、ここでJリーグ期間が切れること。ナビスコを調整として使える。ただし、大阪はACLの全南ドラゴンス戦で韓国まで行かなければならない。いずれにしても、3節から仕切りなおしになるが、ここで切り替えられなければ、シーズン前半戦はジ・エンドであろう。わたしの客観的予想では、浦和については、そこそこ持ち直すものの、大きな変わり身はないと踏んでいる。

はたして、数ヶ月してから、「あの開幕は何だったのだろうか」と思うのか。それとも、今年はアカンとなるのか。浦和、大阪、川崎の3クラブ(もしくはいずれかが)がリーグから脱落となると、リーグは鹿島、横浜、清水の覇権争いになる。神戸、名古屋にもチャンスは出てくる。そして、ACL、ナビスコ杯、天皇杯カップ戦はすこし面白くなるかもしれない。