欧州選手権 EURO2008 の優勝候補は・・・

オーストリア、スイスという、おそらくは予選では勝ちあがるのが難しい二カ国が開催国枠で出場するため、今回は枠が2つ減ったも同然の大会というのは語弊があるだろうか。イングランドが敗退し、出場国も小粒な国に落ち着き、盛り上がりに欠けるのではと思っていた矢先、ドローですばらしい死の組が出来上がった。イングランド代表の予選敗退が決まったことで・・・で死の組の予感を書いたが、まさか本当に出来上がるとは。フランス、イタリア、オランダのうち、かならずひとつが脱落する。イタリアはもちろん、スペインも前回、グループリーグ敗退しているので、2大会連続の汚名は避けたいところであろう。


さて、 EURO2008の優勝候補はどこであろうか。そういった予想する段階も、ユーロを楽しみのひとつでもある。前回大会はタレント豊富なチェコが圧倒的な優勝候補だったが、今回の優勝候補はすぐさま浮かんでこない。組み合わせの妙から、決勝まで強豪らしい強豪と当たらずにすむドイツが最有力だが、今回はドイツW杯のようなホームではない。ドイツのFWの決定力不足は相変わらずで、ダイスラーなき今、軸となる中心選手がいない。かならずしもドイツが絶対という存在ではない。

他の強国を見ても、いまいち食指は動かない。いつも優勝候補には顔を出すオランダも、将来を見れば強そうな先物商品のようだ。イタリアはいつもながらグループリーグの間は眠ってるし、フランスは強いのか弱いのかいまいちよくわからない。スペインは「またやっちゃった」になる可能性があり、安定感は望めない。チェコも2004年に比べるとピークは過ぎてる。逆に、大穴で開催国スイス、(ヒディングのいる)ロシアの優勝もありえるのでは。おそらく、前回にもまして、波乱の欧州選手権になるかもしれない。ひょっとすると、2000年ユーロがクオリティとしてはピークだったかもしれない。

わたしが優勝候補に推すのはポルトガルである。前回の準優勝はポルトガル開催だったからという割引は必要だが、それでも昨年のドイツW杯では予想を裏切ってベスト4になった。フィーゴ、ルイコスタという二枚看板が代表を去った後、デコ、ロナウドという二門の大砲が今の代表を支えている。絶対的な軸がいるという点で他国よりぬきんでている。また、チアゴ、ナニなどの新鋭も出て、あいかわらず人材に事欠かない。GKリカルド、シモン、ポスティーガの縁の下がいて、フェリペ監督の長期政権が証明するようにチームはバランスがいい。唯一、ドイツ同様にFWの人材不足に課題はあるものの、他国と比べると、やはり、経験、実力とともに世代交代がうまくいった点で抜けているであろう。

とにかく、本大会は、色メガネを外し、純粋にフットボールの質を楽しむのが良いかもしれない。ナビスコ杯で中堅同士の決勝を楽しむ感覚で。