サッカーの誤審・主審について

Jリーグであいかわらず、ゲームを壊すような主審が後を絶たない。

そもそもサッカーにおいて、最初、主審は存在していなかった。収拾のつかないゲームを仕切る役割として後から導入されたのだが、その主審が絶対だということに異論はない。ただし、主審が無能を曝け出して良いということでもない。それならば、近所の走れるオッサンが笛を吹いてもいいのだ。とくにSRの主審は専門職で、安くない報酬を得ているのだから、きちんと報酬に見合った仕事をしなければならないのだが、人間にも間違いはあると開き直ったジャッジがまかり通っている。

その報酬にしても、審判で飯を食えるSRの主審の報酬は1年契約で1500万円~2500万円である。専門職とはいえ、大手商社ノ部長クラスの高い報酬設定になっている。よほどの社会的不祥事でも起こさない限り、契約更新されないことはない。つまり、引退するまで日本サッカー協会が彼らの面倒を見るということで、もはや役人になっている。

誤審はあっていい。それがサッカーを面白くしている要素であることに間違いはない。だが、あくまで、それは一定のジャッジ・レベルが前提にある話であり、「たまに」ならいいのだが、「横行」すると、もはや収拾がつかなくなる。ジャッジはトトの結果にも影響する。競馬が審議の青ランプを所有しているからとはいわないが、第三者のチェック機能がない。だから、やりたい放題になる。つまるところ、何が正しいのか悪いのかの基準が無い状態。


話は変わるが、現在、ラグビーのワールドカップが行われている。もちろん、サッカー、ラグビー両者に誤審や間違いはある。だが、サッカーの主審とラグビーの主審にある大きな差とは、選手とのコミュニケーションである。ラグビーは、試合を中断させ、反則した選手とチームキャプテンを呼び寄せて、主審がきちんと説明する。どうしてペナルティにしたのか、今後はどうプレーすればいいのかの指導も入れながら、きちんとコミュニケーションする。だから、ラグビーで選手が主審に食ってかかったり、つかみかかるシーンは少ないかもしれない。そこへ行くと、サッカーは救いようがないかもしれない。選手と主審に相互理解もリスペクトも低い。

プロであるSR以外の主審はきちんと他に仕事を持っていて、あくまでボランティアでしかなく、立場的には技術も弱い。しかし、反芻すると、Jリーグで槍玉にあげられる主審は、決まって四天王はじめ、何故か、プロであるSRの主審に多い。主審のプロ化は悪くないのだが、日本サッカー協会の庇護を背景に、業務放置の温床になってやしないだろうか。はたまた、それがクラブ、選手、サポ、トト購入者といった大きな市場を揺るがすものでもあることにすら気づいてないのだから、話にならない。


この審判員精度をなんとかするには、完全に審判を職業として確立し、なおかつ「競争」を導入するしかない。アメリカの医療のように競争基準を定め、外部から審議委員会を作り、ジャッジ能力をランキング化させ、ランキングの上下で収入格差をつける。つまりビッグゲームほど高収入でランキング上位の主審しか笛を吹けない。基準も緻密にし、ミスしたらマイナスポイント、ナイスジャッジならボーナスポイントになるし、審議委員会がビデオを見て、能力数値をはじき出し、毎週公開する。これは地域格差のあるFIFA全体でもやった方が良い。

すくなくとも、いまのままでは、主審は役人でしかない。権限はあるのに無能。そういうことだ。