<雑評> チャンピオンズリーグ 準決勝 ファーストレグから

チャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグは、ともにホームチームが先勝したが、セカンドレグは消化試合にはならず、2試合とも死闘に発展しそうである。


予想通り、前半の序盤早々にマンチェスターユナイテッドが運良く混戦から先制し、これは勢いに乗って2-0、3-0かなと思いきや、ミランは、CL初心者のローマのように大崩れはしない。ミランがチームとして取った点ではなく、カカの個人技による2ゴールとはいえ、まさか逆転するとは思わなかったが、前半を1-2で折り返した瞬間、もう、ミランの決勝進出は決まったと思った。おそらく、トラフォードでマンチェスターユナイテッドは負けない。後半の立ち上がりかロスタイムに2-2に追いつくと予測していたし、そうなっても、ミランにはまったくダメージはない。たとえ、2-3、2-4でミラン敗れても、サンシーロに戻れば、ミランは自分達の得意な戦いに持ち込める。そして、試合はやはりというか同点になり、ロスタイムにマンチェスターユナイテッドが再逆転した。しかし、あんなニアぶち抜かれてどうするんだよ。ジダ!それまでの好セーブも水の泡。

さて、セカンドレグだが、先勝したマンチェスターユナイテッド有利ということではなさそうだ。まず、ミランの解釈次第というところであろう。ミランがファーストレグを勝てた試合を落とした、引き分けられた試合を負けたとネガティブに解釈するか。それとも、負けてもアウェイゴールを2点も取れたと前向きに解釈するかである。カカの発言からすると、後者のような気もする。なにより、今世紀に入り、ミランは準々決勝以上の戦いで修羅場を潜り抜けている経験が大きい。あとはミランがパニックを引き起こすかであろう。

一方、マンチェスターユナイテッドはなまじファーストレグに勝ったため、「守る」という選択肢が増えた。これが厄介で、セカンドレグの展開次第では、攻めるか守るかの板ばさみになる可能性がある。もし、ファーストレグを引き分けたり、負けたりしていたら、たとえサンシーロだろうが、マンチェスターユナイテッドのやることは攻めるだけで、むしろ、その方が意思統一は簡単であったであろう。一流チームほど、そういった単純なファクターに左右され、自滅したり快勝したりする。マンチェスターユナイテッドとしては、セカンドレグを勝てずとも、0-0のまま90分間で終らせるのが理想だろう。


○ チェルシー 1-0 リバプール


予想に反し、とはいえ、勝つなら1-0しかないスコアでチェルシーが勝った。
ほぼチェルシーペースのようだが、決して、チェルシーは良かったわけではない。ミランのカカ頼みならぬドログバ頼みの部分もあるが、ただ、やることの意思統一が徹底されていたように思えた。台所事情の厳しい今は、それしかないだろう。また、ゴールを決めたJコールの存在は大きいであろう。
リバプールにはすこし迷いがあったのか、すこしらしくない前半の入り方で、ミスも多かった。だが、一時でも押し込んだ後半から見ても、まだまだわからない。ただ、アウェイゴールは取りたかったであろう。

リバプールは負けた分、勝たなくてはならないというわかりやすいモチベーションで、アンフィールドでは一気呵成に押し込んでくるであろう。前半が注目であるし、前半で決めてしまいたいであろう。試合展開が膠着するようだと、チェルシー有利にも傾きやすい。次、チェルシーは負けても、アウェイゴールを取ってしまえば良い。1-2でも突破できる。ただし、チェルシーは調子も100%ベストではない。いかにコミュニケーションを図るかにかかってくるであろう。累積を抱えるドログバの次戦出場停止と引き換えに、決勝へ行くという事態も十分に考えられる。

とはいえ、わたしは、ここはリバプールが勝ち抜けると予想している。


ちなみに、2月の過去ブログで「アテネイスタンブールに近いから決勝はリバプールミランにならないか」なんて冗談を書いていたが、本当にそうなるのか?