UEFAチャンピオンズリーグの縮小案について…

UEFA会長選で当選したミシェル・プラティニチャンピオンズリーグ改革案をめぐり、スペイン、イングランドなどの出場枠が4から3へ減らされる見通しのようだ。この他にいろいろと改革が目白しだが、チャンピオンズリーグの縮小案が一番の目玉になっているようだ。

過密日程、選手の体調管理やクラブ格差などを考えると、縮小案も大事な側面であるが、なによりも一番大事なのはクオリティである。今のクオリティを維持できるのならば、どう改革しようとかまわないであろう。

チャンピオンズリーグの枠は、毎年、別のやり方で見直せばよいだけだ。
基準はUEFAランク以外にも、リーグの傾向(リーグが1チームのぶっちぎりなのか接戦なのか)を分析し、(チャンピオンズリーグの賞金のように選手の質などで)正確に出していく。

現状を見ると、たしかにドイツは多すぎる。2枠でも多いかもしれない。
イングランドは今の状態ならば、4枠でちょうどいい。
八百長スキャンダルを巻き起こしたイタリアも3枠くらいが妥当かもしれないが、ミランインテルが順調で、ユベントスが帰ってきて、ローマ、ラツィオが上位争いをしていれば、3枠では足りない。
スペインの4枠も数年前はよかったが、今では多いかもしれない。
オランダも1枠がちょうどいいかもしれないが、フランス、ポルトガルは多い気がする。
逆にギリシャなどが前のように多くなるとどうだろうか。

減らした分を余所の国へ分配するというが、予選から小国を加える分には勝ちあがるしかないから問題ない。ただし、UEFAカップとの兼ね合いがどうなるのだろうかということは気になる。UEFAカップは中堅クラブのための(チャンピオンズリーグの敗者復活戦の)ような位置づけだが、その存在意義すら曖昧に揺らがないだろうか。本来、チャンピオンズリーグに出るクラブがUEFAカップに出る。その逆もしかりだ。多くがまぜこぜになり、チャンピオンズリーグとUEFAカップが同じような大会になる可能性もある。(逆転してもそれはそれで面白いが)


クオリティ低下は、FIFA主催のワールドカップでにわかに表れている。
アジアのスポンサー確保の狙いからアジア枠を4.5枠(事実上5枠)にして、南米や欧州を減らしていく路線は、平等性や市場開拓としてはすばらしいことだが、その結果、どうしても大会のクオリティは低下する。ウルグアイ対フランス、パラグアイ対スペインは見たいが、ヨルダン対フランス、バーレーン対スペインはあまり見たいとは思わない。(人にもよると思うが)

スポンサー(の我侭や都合、退却&撤退)が大会のクオリティを落としていく例はあるが、選挙もクオリティを落としていく。結局のところ、今回もプラティニが東欧からの票を取りたいためのマニフェストチャンピオンズリーグ縮小案)がこの騒動を起こしているにすぎない。以前のFIFA会長選で、ブラッターがアフリカ票を取りたいために、裏でアフリカ大陸のワールドカップ開催を公約をかかげたように、結局は、そういった見苦しい票集めが大会のクオリティを落としていく。

さて、(欧州クラブにおける労働組合?の)G14がどう動くのかにも注目が行くが、今回は国単位の問題だから、あまり出番はないかもしれない。
わたしはチャンピオンズリーグは本当に強いもの同士が戦えばいいと思う。
そういう闘いがチャンピオンズリーグだと思っている。