チャンピオンズリーグ決勝当日のパリ

チャンピオンズリーグ決勝当日、パリの朝はいつもと変わらない。
パリの地下鉄に乗っていると、たまにバルセロナのシャツをきたスペイン家族ずれに出くわすくらいで、パリ市民は今夜、決戦があるのも意に介さないような平穏である。
テレビも加熱感はない。

とはいえ、すでにパリの宿は明日まですべて満室で、まったく空きがない。
ホテルにいると、訛りのないロンドン英語の会話が聞こえてきて、(ユニを着てない)アーセナルサポータらしき人間が泊まっているのだとわかる。サッカーとは関係無い観光客はいい迷惑だが、巨大な興奮と熱が静かに動き出そうとしている。

舞台となるスタッドドゥフランスは、
夜になってもスタジアムから灯は消えずにライトアップされ、
巨大な宇宙船のように浮かんでいる。
いつもはフランス代表の試合に使われるにもかかわらず、
すでに余所者であるバルセロナアーセナルの看板はすでに掲げられている。


さて、今夜の決戦だが、ついミドルズブラ対セビージャのUEFAカップと重ねてしまう。
チャンピオンズリーグもスペイン勢であるバルセロナが勝のではと予想する人は少なくない。

最後の決戦の舞台だけに、立ち上がり10分は、やはりまともな精神状態ではないはずだ。
今日のパリの朝のように静かに入るのではないか。
ただ、バルセロナが立ち上がりから果敢に攻める姿勢を見せれば、ほぼバルセロナのものだろう。
先制してしまえば、攻めるしかないアーセナルは意外ともろいかもしれない。

一方、アーセナルはロースコアの勝負に持ち込みたい。
後半の半分過ぎまで0-0で行けたら御の字だろう。そして、なんとか1-0で勝ちを掻っ攫いたい。

いずれにして手に汗握る試合を期待したい。
できれば、延長まで行く予想外の展開をおおいに期待したい。