WBC、日本優勝!フォー! 王ジャパンからジーコジャパンへ

日本が優勝した。
しかし、今大会で一番印象深かったのは優勝した瞬間よりも、韓国に負けて、イチローの悔しがった姿ではないか。あのイチローの悔しがる感情にわれわれの誰もが自分の感情を重ねたはずだ。まぎれもなく日本国民の感情そのものであったに違いない。それが日本国内を盛り上げた要因でもあろう。

さて、決勝戦は両チームともミスが多く、すこし草野球じみたシーンもいくつかあったが、それなりに緊迫感はあった。一点差勝負の試合だったら、心臓に悪かったであろう。川崎、渡邊がポロリとしたり、その渡邊が連打されたりしたときは、すこし信じがたかったが、なにより、(わたしがブログで推奨していた)川崎、西岡、イチローの3人を1番2番3番に据えて上位打線を作ったのが大きいだろう。

キューバは最後まであきらめなかった。試合を投げない集中力は凄いと思う。短期決戦の戦い方を心得ていて、8回裏に2ラン喰らったときは、不味いなと思った。しかし、9回に日本が相手のミスから4点奪ったのは大きかった。さすがにイチローは凄いというか、頼りになる。9回のライト前は千両役者というところだろう。福留も代打の職人かと思わせた。

正直、優勝するとは思ってなかったが、韓国に2度も負け、危機感を持ったから、優勝のうれしさも倍増であろう。日本スポーツ界に活気が戻ったのは喜ばしいことである。MVPが松坂というのはすこし微妙なところだが、上原の好投もすごかった。なにより、松井、城島、井口、田口、高橋、小久保、金本、川上、新垣、斉藤といった選手が出てないにも関わらず、この結果なのだから、本当のベストを組んだ日本も見てみたい気もする。

ひとつだけ残念なのは、中継していた日本テレビが(試合終了直後、一切CMを流さなかったのは評価できるものの)王監督がチャンピオントロフィーを受け取る直前にCMを入れたのはNGであろう。段取りが悪いというか、一番見たい瞬間にあれでは、呆れるほかない。

あと、日本が優勝したのだから、韓国もキューバに勝って優勝していたかもしれないというコレアンの声も聞こえてきそうだが、それは夢想でしかない。韓国だったら、あのしぶといキューバには勝てなかったであろう。キューバは日本に負けたが、弱くはない。

たった3週間だったのに、正直、疲れた。浮き沈みの激しい濃密なドラマというか、まるでペナントレースのワンシーズンを見てきたかのような長い時間を感じたWBCだった。
王ジャパンからジーコジャパン

6月のサッカーも続こう!