韓国の浮かれムードと日本のプレッシャー

WBCのアジア予選で日本に勝った韓国は、「アジアの王者」と国内でもちきりのようだが、われわれ日本人から見たら、奇跡的に勝ったぐらいで浮かれるなと思ってしまう。しかし、彼らのうれしい気持ちはわからないでもない。まるでサッカー日本代表がブラジルに2-2で引き分けた姿を見ているようでなんだか健気でもある。

「30年の差を見せつけたい」とイチローが言ったのも、別に挑発でもなんでもなく、事実でしかない。サッカーでいうところの日本とブラジルほどの実力差が、日本と韓国の野球にはある。だから、順当であれば、日本がベスト4に行くというのが大方の見方だった。

しかし、それもすこしばかり微妙なズレが生じてきている。とかく、今回のWBCでの韓国には運があるかもしれない。予選でアメリカがカナダに星を落としたことで、緒戦がアメリカでなくメキシコになった。これは韓国には大きいであろう。特にトーナメントではこの運が大きく左右するものである。逆に日本の初戦はアメリカ相手となり、ここで勝つか負けるかで大きなギャンブルを強いられる。

プレッシャーや余裕のなさが日本の実力を損なうのか、逆に良い材料になるのかはわからない。それは余裕のある韓国にも言えるが、ただ、日本と韓国が再び戦う。韓国の浮かれムードと日本のプレッシャー。再試合の結果によって、そういった交差するしがらみの正体が分かるのかもしれない。

イチローが参加しているとはいえ、松井、城島、川上、井口、高橋、小久保が参加してない。今回の日本は100%のベストではない。それでも、日本は韓国には勝たなければならないだろう。サッカーで日本代表がベストメンバーで韓国に連敗しても、あまり不思議ではないが、もし、野球で立て続けに韓国に負けたら、それこそ七不思議以上に屈辱である。

今一度、日本の野球の立場が問われる再戦は重要なものになる。

サッカーでいうならば、ブラジルは日本などに連敗したりはしない。
そういうことだ。